実施設計、積算・見積

前回からの続き、模型での検討を終えた次の工程、実施設計と、積算・見積について書きます。

実施設計とは、演劇に喩えるならば脚本(基本設計)と本番(着工)のあいだの通し稽古みたいなもので、実際にどのような材料をどのように組み合わせるのか、形状や寸法や数量、仕様を具体的に組み合わせてみて、現実の施工を見据えた検討をおこない決定してゆきます。

家づくりをオーダーメイドと捉えた場合の金額の根拠をここでつくる、という言い方もできるかもしれません。

それらを紙にまとめたものが実施設計図書で、今回は48枚になりました。

内訳は、内容を主に文字によってあらわす仕様書が3枚と、

基本設計時点で描いた図面に具体的で詳細な仕様とそれぞれの寸法を反映させた平面・断面詳細図など、その部分がどのように見えるかを詳しくあらわす意匠図が35枚、

柱や梁や土台、基礎など、建物の骨組みをあらわす構造図が5枚、

コンセントやスイッチや照明器具、水道などの位置や仕様、配線(管)系統をあらわす設備図が5枚の、

仕様書3枚プラス図面の45枚に目次と表紙をあわせて合計で50枚です。

実際の業務ではこの図面をもとにして、積算作業(数量の拾い出し:原則設計者がおこなう)と、見積依頼(各専門工事業者さんにお願いする)と集計を経て具体的な予算がはじきだされます。

今回、計画案とはいえ、ひととおり図面がそろったので、専門工事業者さんにお願いして見積を作っていただきました(ありがとうございました)。全体の集計作業も、もうまもなく完了です。

分離発注としてはおよそ5年ぶりの積算・見積だったのですが、この5年のあいだで、ウェブを活用した物流、情報伝達の効率化と参入障壁の縮小は予想以上に進んでいるな、というのがいまのところの感想です。

正直、やや軽いショックを受けています。

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