寒暖の差

境港はこのところ、日中は暑いくらいのよい天気です。

けれど朝夕は涼しい、というか朝方はむしろ寒いくらいで、と書きながらそれは案外気のせいで、毎年同じことを言ってんじゃないのかと我が身への疑いがよぎり、すぐさま気象庁の門を叩いたのですが、調べてみると今年の朝夕の気温は、やはり目立って低いようです。とはいえ今が、暖房も冷房も使わない、過ごしやすい季節であることには違いありません。

冬や夏に身体に負荷のかからない、暖房や冷房の負荷にできるだけ頼らない室内とするために、単純で自然な熱(空気)の流れになるような設計をこころがけているつもりですが、いろいろと経験してわかったのは、室内に空気が流れる道をつくることと併せて(というかむしろそれ以上に)、流れを妨げる要素を見つけ出し解消するための検討を繰り返すことが重要である、ということでした。

視界・景観を併せた敷地の周辺環境に応じて、開くところ閉じるところを見極めながらつくりあげてゆく室内環境は、いわゆる「スペック」において語られる性能値が一定のレベルに達した昨今の家づくりにおいて、その家のここちよさの指標として取り上げられるようになっています。力任せではない家に快適に長く住んでもらうことは、そのこと自体が最も合理的で効率のよいコストダウンなのだとも思います。

先日ホームセンターに立ち寄ったら、簾(すだれ)の特設コーナーができていました。高度の低い朝日と夕日を遮るその原理は外付ブラインドと同じで、日差しからの熱の8割を防ぎます。実のところ数値でいえば、Loe-Eガラスよりも高性能(併用すればさらに強力です)だったりします。

よい天気が続いていた昨日の夕方、屋根に「がこんがこん」と何やら異物が当たる音がきこえて何だろうと窓をあけたら、空から降ってきたのは大粒の雹(ひょう)というか、ほとんど小粒の氷でした。しばらくしたら止んだのですが、これは長期予報で囁かれるような、冷夏の前兆なのでしょうか。

きるならば簾を吊ってヨシズを立てて、通り抜ける風を感じながら、家のなかでゆったりすごしたり午睡したりの、例年並みの夏の暑さを待ちたいです(ビールも美味しいし)。

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