「建築家として、もっとも、うれしいときは、建築ができ、そこへ人が入って、そこでいい生活がおこなわれているのを見ることである。日暮れどき、一軒の家の前を通ったとき、家の中に明るい灯がついて、一家の楽しそうな生活が感ぜられるとしたら、それが建築家にとっては、もっともうれしいときなのではあるまいか・・・・」
上の言葉からはじまる朝日ジャーナル掲載の文章をはじめ、読み返すたび、あるいはランダムにページを開くごとに、吉村さんが建築家として居てくださったことと、残されたものを今こうして読めることの大きさと、ありがたさを感じます。いつ読んでも新鮮で、安心できる、大切な本です。