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【1:リフォームとリノベーションとは、なにが違うのか?】
ウィキペディアによると、
<リフォームは「老朽化した建物を建築当初の性能に戻すこと」を指し、・・・・・一方リノベーションは、修復だけでなく「用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりする」行為も含むため、より良く作り替えるという目的が含まれている。工事の規模も、間取りの変更を伴うような大規模なものを指すことが多い>のだそうです。
大掴みにいえば、
・衛生機器の交換や内装の張替えならば 「リフォーム」
・間取りや用途、動線の変更を伴うものならば 「リノベーション」
ぐらいの使い分けで、個人的には業務にあたっています。
(法令による、明確な定義はありません)
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【2:「ホームインスペクター」とは?】
この言葉、恥ずかしながらお客様に教えていただきました。
住宅新報によると、
ホームインスペクターとは、ホーム(home=住宅)のインスペクター(inspector=調査官、検査官、査察官、監督官)のことで、「第三者的な立場で住宅診断をおこなう人」の名称で、調べてみるとどうやら、民間の資格認定もあるようです。
ちなみに既存住宅の「インスペクション」に関しては、国土交通省によるガイドライン が定められています。
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【3:他に「住宅診断ができる」ひとは?】
実務経験をもち、現場に精通した建築士が最適であろうと思いますが、上記ホームインスペクターさんについても、認定を受けてかつ、建築士である方もいらっしゃるようです。
耐震診断、設計および耐震改修工事の括りで言えば、現在、鳥取県や島根県など各県単位での資格者の登録制度もありますから、その登録者であるかどうかも、目安のひとつになるのかもしれません。
※参考:「鳥取県木造住宅耐震化業者登録」の制度について
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【4:新築工事と比較した改修工事(共通するところ)】
以前「コストから逆算したプランニング」と題して当ブログに記したように、その建物のコストは、
・材料の量と
・作業(施工)の量
つまり、当該部分の表面積に正比例します。これは新築工事にも改修(リフォーム・リノベーション)工事にも同じことがあてはまります。
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【5:新築工事と比較した改修工事(工事費が異なるところ)】
改修工事は、建物を部分的に撤去解体してから施工するので、
イ:解体工事をおこなう表面積
ロ:補修工事のボリューム
ハ:解体後の既存部分の表面積
ニ:新設部分の表面積
の4点に、建設コストは正比例します。
改修工事が、イメージよりも割安ではないといわれるのは、新築工事には発生しない、改修工事特有の工種である、
「イ:解体工事(と産廃処分費)」
「ロ:補修工事」
が、どのくらい必要であるかということを掴みづらい(故に「盛り」がちになる)からです。
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【6:「盛らない」ようにするには?】
以前設計した民家の改修(リノベーション)工事で、状態の良い土壁部分をそのまま残して断熱材として扱い(気密工事は実施)、土壁の解体処分費と断熱工事費を同時に削減する計画としたことがあります。
コストアップの要因とは、やりようによっては、それ自体がコストダウンの「産みの母」になり得るのだなと実感したのですが、なんとかそこまでたどりつけたのは、
・実測ができて現況図がひととおり揃い、
・そこをベースに検討を重ねることができたこと
が、内容の把握とクライアント様、職人さん、設計者の情報共有を呼び込んで、初期段階では不確定(=「盛った」)要素にしか見えなかったことがらが、具体的な減額要素へと変化していったからだと思っています。
最近の改修事例を通して再確認できたのですが、このことは、計画の規模の大小を問わないようです。そして新築工事にも、そのまま当てはまります。