ひとしきりの四方山話のあと、「そういえばワタナベ君、分離発注の家づくりに携わっているそうだけど、もしも不具合が起こった場合には誰がどのように対応するの」、との質問を受けたのですが、言外には「大丈夫なの?」ともいわれている風で、その後の説明で疑念は解消してもらえたものの 、同業の尊敬すべき大ベテランでさえ、まだこのような認識をお持ちだったのかと、やや残念な気持ちにもなりました。
というわけで今回は、私が思っているほどには実は知られていない、オープンシステム(分離発注)の家づくりの、リスクへの備えについてご紹介します 追記:長くなったので、2回に分けてお送りします)。
まず、あらためて申し上げる必要のないことなのかもしれませんが、念のために繰り返せば、
・分離発注 (オープンシステム) であれ、
・工務店さんのように一括で工事を請け負う場合であれ、
・大工さんの直営工事であれ、
それぞれの立場、条件あるいはシステムのもとで創意工夫を重ねながら、それぞれが謙虚で誠実なものづくりに徹すること以外に、不具合の確率をゼロに近づける方法はありません。
とはいえ、エラーが全く起こらないことを前提とした競技を野球とは呼べないように、限りなくゼロに近づいた不具合の確率でも、それを完全なゼロにすることはできません。
そうした意味において(のみ)、万が一のリスクに備えておくことは必須(有効)で、具体的には住宅瑕疵担保履行法に謳われているように、家づくりに関する「確実な」万が一のリスクへの備えは、現在の日本国内には、
・保証金の供託
・保険への加入
の、二種類しか存在しません。
前置きが長くなってしまいましたが、それではオープンシステムの家づくりの万が一のリスクへの備えである「オープンシステム建物登録制度」とは、どのような制度なのか、ご紹介します(後編に続きます)。