映画 「この世界の片隅に」

こうの史代さんの同名漫画を映画化したもので、米子市内の映画館でも上映されていると聞いて、先日行ってきました。

以下、おそらく各所で発信されているであろうことばの焼き直しとなるのを承知で書きます。

アニメーションの映画なのですが、70年前の暮らしと理不尽な力の行使(暴力)が、絵空事でも他人事でもなく、いまの自分たちの生活と地続きであること、そこから皮膚感覚で伝わってくる恐怖(音響効果と相まって、特に防空壕のシーンは、ほんとうに怖かった)、そして、そのぶんだけなおさらに、頭にではなく骨身に染みてくるような日常の尊さが「リアルに」伝わってくる映画で、ツイッターなどで綴られている「もう、とにかく観てください」と、読みようによっては相当に乱暴な感想にも、そうとしか言いようがないのかもなあと、我が身にもある言葉にできなさ具合のもどかしさと一緒に、いちいち頷いています。

監督の片渕須直さんが言われているように、主人公の「すずさん」は、あれから齢を重ねられて、きっと昨年はマツダスタジアムでお孫さん達と一緒に赤いメガホンを振りながら大谷翔平を複雑な心境で見送って、そして今ごろは「菊池の守備範囲はあれが普通」「今年の堂林は一味違う」などとおっしゃりながら、今シーズンの開幕をお待ちのはずです。

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