続 史上最大の大黒柱

今年初めに地盤改良工事(表層改良)の様子をご紹介した「廻り土間の家」は、建築工事を終え、外構工事の準備に入っています。

今回は、昨年ブログでご紹介した 欅(ケヤキ)の大黒柱 が、建物のどの部分に「納まった」のか、ご紹介します。

大黒柱は上の写真のように、3枚の板に製材されました。この3枚を、建物内のどこに用いるのか、「現物の現場あわせ」をおこなって最終決定とするために、製材所から工事現場へ持ち込んでもらいました。

板は、表面に大きな割れなども見当たらず、柱断面1尺分をほぼ、「幅」として使うことができ、これならばカウンター(天板)として使えそうです。

木工事が終盤戦にさしかかった5月末の日曜日、現場にて、クライアント様、林原棟梁を交えての「現物あわせ」の打ち合わせがおこなわれ、協議の結果、このうちの1枚を電話台の天板に、2枚を玄関収納の天板と側板に用いることになりました。上の写真は打ち合わせの様子を写したものですが、無垢材の特性と特性に沿った加工方法について語る林原棟梁は、(いつも)楽しそうです^^

その後、工程は進んで木工事が完了し、内装仕上げと器具付け、そして竣工前クリーニングを経て、

ホールでは、電話台の天板に、

玄関では、収納の天板と側板に、その役割を移した大黒柱が、あたらしく生まれ変わった姿をみせてくれました。

写真中央の下(と玄関戸枠の下部)に僅かに見える玄関框は、大黒柱と一緒に保管してあった、5寸角の柱(欅)を再利用したものです。

無垢材の天板は、上乃木の家 の、キッチン対面カウンター(銀杏)と座卓(花梨)以来でしたが、これだけのサイズの欅の大黒柱に触れるのは、おそらく次回がいつになるのか分からないくらいの貴重な経験で、これから天板や框は、床板や窓枠などのその他の木材とともに、時間をかけて少しずつ、味わい深い「よい色」となってゆくのでしょう。