室外機を探せ(メイキング・オブ・宮前の家1)

上の写真は先月、竣工お引き渡しとなった「宮前の家」の室内ですが、この写真の左上、エアコン(室内機)の設置位置に「おや?」と思われたアナタ、かなりの目利きと存じます^^

実はこのエアコン、取りついている正面の壁と側面の壁のその裏側は、それぞれ階段室と廊下で、いずれも外部に面していません。

それでは、室外機はどこに?

エアコンは、冷媒を加圧(減圧)した際に得た(奪われた)熱によって、室内空気を温める(冷やす)装置です。

室内の空気を温めたり冷やしたりする室内機、と、「温めたり冷やしたり」して戻ってきた冷媒を次の周回に備えていったんリセットする室外機、との”ニコイチ”で構成されていて、そのふたつを冷媒管が繋いでいます。

「いったんリセット」、冷媒を通常の圧に戻す際、室外機では、室内とは逆向きの熱交換がおこなわれるのですが、この熱交換と冷媒の循環を効率よくおこなうために、室外機は、冷媒管の長さをできるだけ短くできて外気を取り込みやすい場所、つまりざっくり言えば、室内機直近の外部に設置するのがよいとされています。

ですが、そのようにすると、

・建物「正面側」への室外機設置となり、外観上好ましくない
・薪ストーブの設置予定位置と被る

ことになってしまうので今回は、

室内機を薪ストーブの予定位置を避けた位置に配し、室外機を(冷媒管距離の適正値内の)北側外壁沿いの設置としたうえで、 壁内と床下に設けた配管ルート内の冷媒管で繋ぐ設計としました。

冷媒管の配管工事は木工事の初期、床組に並行しておこなわれました。 上の写真右手の、壁に沿って固定されている白い管が冷媒管です。床下では土台等の下面に固定されて、室外機の設置予定位置に向かって伸びています。

「外壁側」以降の配管の様子です。室外機は、写真左手の先に設置してあります。

写真右手の細い管は、室内機で発生した結露水を処理するための排水管です。