測ってみたら

おそらく同業他社のみなさんと同じように、日々の設計業務は、そのほとんどが紙と鉛筆を用いない、パソコンによる作業となっています。とはいえ元々は機械(パソコン)を介するぶん、手書きの製図にくらべて確実に余計なひと手間を要して「もどかしかった」はずなのですが、作業場所を選ばず図面の保管スペースも必要ない、総合的な使い勝手のよさが勝って現在の姿に落ち着いたようです。ここのところの定番となった現場での詳細図書きも、ノートパソコンなしには成り立ちません。

また、情報伝達についてはそこからもう一歩進化していて、そうして書いた図面等のデータは、電子メール経由で工事関係者の手許(スマートフォン)に共有できるようにもなっています。 そういえばここのところ、現場での打ち合わせにタブレット持参で来られるメーカーさんも多くなりました。

と、 前置きが長くなってしまいましたが、こうした私の日常業務「以外」のところでも、どうやら世の中では同じように、というかそれ以上に便利になっているようで、今回はそうしたなかで受けた恩恵について書きます。

先日、 0.1グラム単位で材料を計測しなければならなくなり、身の回りにある計測機器を引っ張り出した結果、最小単位は、自宅にあった料理用の秤の「1グラム」でした。

これは、どうにもならない場合は近所の境高校に駆け込んで、理科実験用の天秤を貸してもらおうか(一応OBなので)などと考えながら、まずはホームセンターに向かってみたのですが、品ぞろえのなかには0.1グラム単位対応の秤(料理用に用いるものを「クッキングスケール」と呼ぶのだそうです)も各種あって、問題は10分程であっさりと解決してしまいました^^;

そのなかから価格がお手頃なものを選んで事務所に戻り、いざ計測に臨んだのが上の写真です。おかげさまで無事0.1グラム単位の計測にも成功して、必要な分量を小分けにすることができました。妙な表現かもしれませんが、計測する粉末の、僅か数粒の違いで表示グラム数が変化する様子は、驚きを通り超えて畏敬の念すら抱けるほどで、更に言えば、粉末の下に敷いたフィルムの重さをあらかじめ除いて計測できたりと、高精度に加えて至れり尽くせりでした。

機能や使い勝手は現状更新を続けて絶えず進歩して、世の中は知らない間にどんどん便利になっているのですねえ。