排水管の「○○詰まり」

今年の春にご紹介した事例は、「水分を求めた木の根が排水管の中に進入して、流れを堰き止めた」というなかなかのレアケースだったのですが、今回の事例については、どうやら「無いことは無い」くらいには起こり得るようです。

竣工から数年(5~10年)が経過したクライアント様から先日、キッチンの排水が流れなくなった、と連絡をいただきました。状況をひと通り伺ってから、まずはトラップ(シンクと排水管との間にある「関所」)の洗浄をお願いしたのですが、残念ながら改善されませんでした。

給排水工事を担当したT社S社長に相談すると、「『キッチン接続部分から集水桝まで』の間で排水管が詰まっていて、おそらく油脂によるものだろう」とのことで、翌日現地で不具合箇所の確認をおこない、

早速そのまま対処してもらうことになったのが上の一連の写真です。 作業はまず、トラップを取り外して露出した排水管に、清掃用のノズルを差し込み、

管内の汚れを集水桝に向けて掻き出します(注:写真の一部をモザイク加工しています)。この作業を数回繰り返してから、

トラップを繋ぎ直してシンクに水を張り、充分に貯まったところで一気に流すと、

残った管内の汚れも全て流れ出て、詰まりは無事解消しました。

S社長によると、トラップが「節水仕様」になっているキッチン(最近のものに多いそうです)は排水管内の水流が弱く、例えば、揚げ物などの鍋や食器を洗った際、排水中の脂分が流れ切らずに管内に付着して、それが蓄積すると、今回のように管が詰まってしまうことがあるのだそうです。

対処方法としては、一日の水仕事の終わりに、バケツ一杯程度の水をシンクから流してやると、水流によって、排水管内のその日の油脂などを洗い流し、詰まり防止に効果があるとのことです。そのほか、洗濯機や浴室の排水の不具合については、髪の毛などが原因となることが多いようです。