10周年のご挨拶

毎年言っているような気がするのですが、年齢をかさねるほどに、時間の過ぎるのがどんどん速くなって、1年があっという間です。指折り数えてみると、建設業界の末席に腰掛けてから間もなく32年です。

そして、気づけば弊社も一昨日(18日)で業務開始から11年目に入りました。いま振り返っても、本当にあっという間でした。

この間、気候変動や自然災害、疫病、テロ・紛争、不安定な経済情勢など、日本国内に限らず全世界で、予想もつかない出来事が続いてきたのは周知のとおりですが、範囲を私の日々の生活圏に絞っても、ところどころでずいぶん様変わりしてもいます。

そうしたなかで、10年、ここまでにやることができたことの手応えと、ある意味ではここからがスタートなのだという実感と、ここから10年先に見える景色はどんなふうだろう?との憧憬が綯い交ぜになった、不思議な気持ちでいます。今日が明日に、今が未来に繋がっているという事実に身をもって頷くことができるようになれた、大切な学びの10年でもありました。

10年前、開業時のご挨拶として書いた「店主敬白」、そして5年前の「5周年のご挨拶」のなかで触れた「地に足の着いた家づくり」は、どうやら次のフェーズに入ったようです。

(「店主敬白」、「5周年のご挨拶」は こちら の、当記事の後に掲載しています。もしよろしければご笑覧ください)

かし保険や第三者機関の検査など、さまざまな機会で他社さんの現場へ伺った際に感じるのは、皆さんそれぞれに練度を高めて、掲げている「旗標」をさらによいもの、再現性の高いものにするべく試行錯誤を積み重ねているなあ、といったものです。

このような取り組みに負けないよう、私も日々精進せねばと思うのですが、こうした場で発生する「空気」は、よい意味での競争心を掻き立ててくれることに加えて、これからのあたらしい住宅、建築物をともにつくってゆくのだという気概を私にもたらしてもくれます。

これからも、おそらく世の中(というか世界、でしょうか)は絶えず変わり続けて、私たちは予想のつかないさまざまな出来事に遭遇するのでしょう。ならば私はこれからも、その時にでき得る技術とアイディアを駆使した家づくり、建築物の構築に尽くします。そして、その技術とアイディアはそれ自体が「目的」ではない、人間として満たされてヒトの営みを守るために注意深く選ばれた「手段」であることを、ここにあらためて記します。

本日で10年と3日目の弊社ですが、これからも日々の研鑽を怠らずに、目の前のご計画、案件を更によいものにするために、クライアント様、職方の皆さん、関係者の方々と一緒に知恵を絞り汗を流すことを、こつこつ積み重ねてゆく所存です。

引き続き、変らぬ御愛顧の程、宜しくお願い申し上げます。

2023年 1月20日
渡辺浩二