建築模型(彦名の家)

「家づくりの流れ」 でも触れていますが、弊社は原則、基本計画案がまとまった段階で模型を作り、クライアント様にご覧いただいています。

「縮尺50分の1」の模型を使って、

・室内と外観のボリュームや質感
・室内への自然光の入る様子や視界の「抜け」具合
・外部からの建物の見えかた

などについてご確認いただくのですが、今回は、先日お渡しした模型をご紹介します。

敷地は、西側、南側の、ニ方の道路に面しています。西側道路(上の写真の左上斜め)は、幹線道路へ通じる地域の主要な路線のひとつで、交通量は多くはないものの少なくもなく、庭に面する南側道路(同左下斜め)は、隣の敷地への進入路です。

今回の計画では、
利便性に富むけれど(比較的)騒々しいであろう西側には「閉じながらも招き入れる」要素を、陽の光を取り込みたい南側には「開きながらも閉じる」仕掛けをそれぞれ備えた、配置・平面・空間構成を、クライアント様と打ち合わせを繰り返しながら探ってゆきました。

ふたつの道路が交わる、南西方向から見た敷地と建物です。

西側道路(写真の左手)に面して、駐車場・駐輪場とアプローチ、そして玄関を設けてこの建物の「顔」としました。西側の外壁は、ウッドデッキに面する部分を袖壁にして道路からの音や視線を遮り、そこからさらに続く木製スクリーンで、パブリックとプライベートを緩やかに区切ります。

こちらは南東方向から見た、敷地と建物です。

屋根付きのウッドデッキは、弊社のこれまでの事例のように、将来的なバリアフリーの通路と、ウチとソトとを繋ぐ緩衝地帯となるように設けています。

加えて今回の計画では、ウッドデッキに面する、南側の大開口に加えたひと工夫(クライアント様からのご提案です。S様ありがとうございました。)により、南側道路を通行される方との「距離感の濃淡」の調整が可能となりました。常時の視界の「抜け」については、吹抜を介して室内と空とを繋ぐ、西側壁面のハイサイドライト(ひとつ前の写真の、横長のFIX窓)などから得る計画です。

写真手前の敷地東側は、来客の多いクライアント様の生活スタイルにあわせ、臨時の駐車スペースやバーベキュー、薪割りなどに使えるフリースペースとして、 広さに余裕を持たせています。

鳥取県米子市の計画です。