杉板カウンター(メイキング・オブ・彦名の家)

先日竣工、お引き渡しとなった「彦名の家」ですが、上の写真は、木工事が終盤に差し掛かった頃の現場に、製材を経た杉板(写真中央の2枚)が運び込まれてきたものです。

この2枚(中央左寄りの赤身)は、以前当ブログでご紹介した、「廻り土間の家」の下駄箱や電話台のような、古材の再利用ではなく、木材市場にストックされていた、原板のなかから選定したものです。

原板として「寝かせて」あった頃の写真です。樹皮付きの状態で、厚みも60㎜程あったこの材を製材、所定の幅と長さと厚みに挽いて削ると、ひとつ前の写真のような、杉独特の木肌と木目が現われたのですが、さらにその表面に撥水と汚れ止めを兼ねたオイルステイン(クリア)を塗装すると、

色合いと木目の力強さが、いっそう際立ちました。これは2枚のうちの「幅広のほう」の板で、洗面カウンターに用い、余った板は神棚に転用しました。

もう1枚の「細長」の板は、対面キッチンのカウンターに納まっています。

竣工(「彦名の家」)

「彦名の家」は先日、竣工しました。

例によって、工事期間中の現場の皆さんには、現場での、設計図書のブラッシュアップへのご協力に、あらためて感謝申し上げるとともに、そのスピリットとスキルをさらに存分に発揮してもらえるよう、次回計画を練りあげていますよふふふどうぞお楽しみに。

加えて、毎月の各業者さんへの支払にご尽力いただいたローンセンターのI様、正確で迅速な確認審査、完了検査、助成金の審査に携わられた各公的機関窓口の方々、棟上げ時の臨時駐車場など、多岐にわたりお世話になった現場近隣の皆様など、本計画に関わってくださった全ての方々に、この場をお借りしてあらためて御礼申し上げます。

クライアント様、これより長いおつきあいがはじまります。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

その他の写真は、こちら からご覧ください。

鎖樋(くさり‐とい)

年夏に竣工・お引き渡しとなった「東津田の家」に先日、鎖樋(くさり-とい)を設置しました。上の写真左側の、軒先と地盤面を繋ぐ、一本の薄い縦線が「それ」です。

鎖樋の上部には、長さ1mの軒樋(のき-どい)を設けています。これは木製スクリーン(写真左手の横格子)に屋根(軒先)からの雨だれが当たらないように設けたもので、この建物に唯一存在する雨樋です。

鎖樋の鎖は鉄製で、直交する2つのリングを上下に繋ぎ合わせた構成となっています。一般的には、「軒樋から地盤面」を繋ぐ垂直方向の雨水経路には、「軒樋と同素材で筒状」の縦樋(たて-どい)を用いることが多いのですが、今回は外観によりよく馴染む、鎖樋を選択しました。

雨樋を設けない計画が多い弊社ですが、これまでは、スクリーンと軒先がこのような(雨だれが当たる)位置関係となるときには、「雨の影響のない場所へのスクリーン配置とそれに併せた動線計画」を定石としていました。が、今回は、駐車スペースの奥行寸法を優先することとなり定石が使えず、竣工後、スクリーンに当たる雨だれの影響をしばらく観察したのちに「プランB」を検討した結果、「部分軒樋と鎖樋の合わせ技」を選択しました。

取付が無事完了し、機能面の目的である、スクリーンへの雨だれ回避とともに、意匠面の目的である、外観への影響を最小限におさえることも達成できたようで、ホッとしています。

足元の納まりです。

鎖樋を伝った雨水は、化粧砕石を経由して地盤面下へ浸透します。

猫の爪研ぎ場所(後編)

前回のブログにてご紹介した、「爪研ぎされた建具枠」は、その後、クライアント様からご提案いただいたアイディアを基に、改修をおこないました。

上の写真の左手に掲載されている、洗濯板(ご存知ですか??)状の板は、「爪とぎボード」という名称の、猫の爪研ぎ専用の板で、獣医院さんの待合に置かれていた雑誌に掲載されていたそうです。

「このボードを建具枠に貼り付けてはどうか?」とのクライアント様からのアイディアを基に、爪研ぎボードの加工と建具枠の痛んだ箇所の取替などの作業を木製建具業者さんにお願いしました。

そして作業は無事完了して、

上の写真のように仕上りました。

爪研ぎボードの木生地色が、壁面の白、木部の黒に対して程よいバランスとボリュームで、ボードと枠の取り合いも、すっきりとした「よい仕事」に納めてもらいました(中井木工所さん、ありがとうございました)。

後日クライアント様にお伺いしたところ、猫くん、気持ちよさそうにこの場所で、爪研ぎしているそうです^^

猫の爪研ぎ場所(前編)

先日、「川沿いの白い家」のクライアント様から、ご自宅の引戸補修について、ご相談の連絡をいただきました。

電話でお話を伺ったところ、引戸は室内のもので、補修内容は、レールや戸車などのいわゆる消耗部材の交換ではない様子です。ともかくまずは現況確認に伺いますとお伝えし、後日お邪魔したのですが・・・

引戸は、上の写真のように、框(かまち)組みされている枠材の、手前側の縦枠が、鋭利な何かで削り取られた状態になっていました。

クライアント様にお伺いしたところ、この場所は、猫のお気に入りの爪研ぎ場所になっているとのことで、そう、「鋭利な何か」とは猫の爪で、この実行犯(笑)は猫でした^^

逆方向からの写真を見ると、削り取られた様子が更によくわかるのですが、厚さ30ミリの縦枠が、場所によっては1/3程度しか残っておらず、このまま爪研ぎが続けば、現状の構造を保てなくなる可能性もないとは言えません。

枠材の樹種はスプルース(マツ科)で、内部建具によく用いられるものなのですが、しかし、これほどの状態になるまでに爪研ぎしたこの場所は、猫にとって、よほど気に入った場所なのだろうなあと妙に感心しながら、何か対策を考えなければなりません。

とはいえ仮に、枠材をあたらしいものに交換しても、ここが猫のお気に入りの爪研ぎ場所であれば、「同じこと」が繰り返されそうでもあります。

うーむ、さて一体どうすればよいでしょうか・・・

(「後編」へ続きます。)