「Mマンション」 リノベーション8期

「Mマンション」は現在、リノベーション8期工事が進んでいます。

今回の工程は「1、4階の2室進行」となり、かーえーるーのーうーたーがー、の輪唱のように、前工程を追いかけながら次工程が進むなかで、工事関係者一同が1階から4階のあいだを行き来しています。

行き来の際、皆さんから漏れ出てしまっている、10年前には決して耳にしなかった「階段登るのがキツいなあ・・」といった呟きは、この10年、皆さんがまっとうにキャリアを重ねてきた証だと解釈^^; していますが、たしかに下りはともかく、4階への登りは、これがなかなか身体に堪えるのです・・・

現場はまもなく設備関連の準備工を終え、木工事を開始します。

「風のちから」について

台風7・8号の影響なのか、ここ数日雨降りが続く境港です。皆様お住いの地域はいかがでしょうか?

振り返ってみても個人的には、6月に台風が到来した記憶がなく、「前回、この時期に台風が本州上陸したのはいつだろう?」と調べてみたら、2012年の台風4号以来であるようです。そこで今回は、「建物に影響を及ぼす、風のちから」について、我が身の復習を兼ねて整理してみます。もしよろしければ以下、しばらくおつきあいください。

ニュースなどで台風の勢力をあらわす際、

「最大風速」(10分間の平均値)、
「最大瞬間風速」(3秒間の平均値)、

といったように、ふた通りの風速を使い分けていますが、建築基準法において対象となるのは、10分間の平均値である「最大風速」です。具体的には告示第1454号にて、地域によって想定される風速が、30~46m/秒の範囲で定められています。

弊社事務所のある境港市は、「最大風速30m/秒」が想定される地域です。気象庁の観測記録を調べると、境港における、最大風速の最大値は19.5m/秒(最大瞬間風速では42.0m/秒)で、1991年に発生・上陸して「戦後最大級」と警戒された、19号台風で計測されたものでした。

秒速30m/秒を時速に直す※1 と108km/時、「時速108キロ」です。この風を面積1㎡の壁が受けた際の速度圧を計算する※2 と、およそ54kgとなります。仮に、2階建て40坪程度の住宅の外壁の、ある一面が50㎡であった場合、その外壁面が受ける風のちからは、54kgの50倍である2,700kg、2.7t にも達します。

上の値に、建物の形状と高さ、建物周囲の環境などを考慮・加味したものが、建築物の構造計画時に求められる風圧力で、一般的な木造住宅の場合、風を受ける面に直交する壁(耐力壁)が、その構造的な強さの根拠となります。

空気の密度は、水の「1立米あたり、1,000kg」に対して「1立米あたり、1.2kg」と非常に小さく、普段その存在を意識することはないのですが、集めることでヨットの推進力になったり風力発電のエネルギー源となる反面、私たちの生活を脅かす脅威にもなり得るのだと、あらためて思い直しています。

※1
30*3,600÷1,000=108

※2 
1/2*0.12*30^2=54

屋根裏探検記2026

昨年1月 から約1年半ぶりの、屋根裏探検記をお送りします。

上の写真は、明治21(1888)年に建てられた住宅の2階床梁です。今回はこちらの住宅の、屋根裏の様子をご紹介します。

上の写真の屋根裏部屋は、もともとは養蚕に使われていた「お蚕さんの部屋」だったそうで、壁には漆喰などの仕上は施されず、柱・梁・束などの構造材と土壁が、ほぼ建築当時の状態で現わされています。

梁は、現代の標準的な断面に比べてふた回り以上の大きさで、加えて、木材の曲がりをそのまま活かした構造体がそのまま見える室内は、野趣に富んだ風合いになっています。

ブログを書くにあたり、「明治21年の出来事」について調べてみたのですが、この年の4月25日に市制・町村制が公布され、(明治)憲法制定・帝国議会開設を前提とした本格的な地方制度が創設されたのだそうです。

そこから2026年の現在まで、実に138年にわたって屋根を支え続けている小屋梁を目にして思ったのですが、相応の年月を経た木材や土壁などが醸し出す色艶は、もはや意匠性、と呼ぶよりもむしろ発酵・熟成と呼ばれるべき括りに属して、長い時間の流れを過ごさなければ、決してこのようには現れ出ないものでしょう。

また、耐震化の考え方が、耐力壁を主とするものに転換されるきっかけとなった、濃尾地震(1891年、M8.0)発生の3年前に既に建っていたこの住宅は、日本の木造建築の歴史から捉えても大変貴重で、大断面の柱・梁によって構成された、いわゆる「伝統工法」の架構は壮観でした。

※当主様、掲載をお許しいただき、ありがとうございました。

「世界最強のあんパン」その2

今から遡ること10年、惜しまれながら閉店となった、米子市の甘味処「みらく」の回転焼き※の味が忘れられない皆様に、朗報です。

先日、島根県浜田市まで脚を延ばした帰り道、浜田~境港のほぼ中間地点にあたる出雲市西端の道の駅、「キララ多伎」に立ち寄って、施設内にあるパン屋さんの「キララベーカリー」で久しぶりに買い求めたのが、上の写真のあんパンです。そしてこのあんパン、食べてみると餡の柔らかさと香り、程よい薄さと柔らかさの生地が、往年のみらくを彷彿させるものになっていました。

キララ多伎は駐車場にも余裕があり、一望できる日本海はまさに「キララ」の名のとおり、晴れた日にはキラキラと光る水面が心地よく、遠出の際の休憩や訪問先への時間調整など、これまで好んでよく立ち寄っていました。営業時間内であればその都度、キララベーカリーさんにも足を運んできたはずなのですが、ここしばらくはその他のパン(塩バターパンとか)に気を取られてしまっていたのか、あんパンについては、恥ずかしながら全くのノーマークだったのです。

それはともかく、喜ばしいことに私のなかの「世界最強のあんパン」は、松江市袖師町の「空(くう)」さんのあんパン と並んで、これで2つに増えました。みらくの回転焼きが恋しい方、あるいは純粋にあんパンがお好きな方に、この場を借りてお勧めします。近くにお立ち寄りの際にはぜひ。


そのほか今川焼き、二重焼き、巴焼き、大判饅頭、御座候(ござそうろう)などなど、地域や個々人によって、実に様々な呼び名があるようですが、本稿では、私が普段呼んでいる「回転焼き」を用いています。

wallstat ver.6

またしても更新間隔が開いてしまいました。申し訳ありません。

以前、本ブログでご紹介した、木造建築物の耐震性能を個別・具体的に「見える化」するソフトの wallstat(ウォールスタット) ですが、今年1月に、4年ぶりとなるバージョンアップがおこなわれました。

遅ればせながら先日から操作マニュアルを横目に、ダウンロードしていた ver.6.0.3を動かしてみると、基本的な操作方法に変化はないようで、ひとまずホッとしています。さらに進めてみると、昨年改正された建築基準法に併せた変更や、計算結果に対するより実態に即した耐震性能の評価(Rグレード)が追加されていて、設計時の検証に際して、より実践的に使えそうな更新となっているようです。

さて、あとはこれで、過去のデータを読み込めさえすればミッションコンプリートなのですが・・・(うーむ再計算できない)