「私家版 家づくりガイド」その2-5(夏涼しく冬暖かい家⑥)

冬の室内環境において、快適に過ごしていただくためのふたつの「隠し味」についてです。あれば室内環境のよさを引き立ててくれますし、無いとちょっと物足りないです。

それは何かというと、このふたつ、

・室内空気の均一化と、
・日射取得、

です。

まずはひとつめの、室内空気の均一化についてです。

・暖房機などで室内にて作り出される熱と
・室内から外に逃げてゆく熱との釣り合いがとれて、

計算上の室温は20℃とはじき出されても実際には、リビングは30℃でトイレは5℃かもしれません。建物全体としての熱のつりあいが取れていても、その分布が人間のスケール感に馴染むものでなければ、その家の室内環境は快適であるとはいえません。

暖められた空気は上昇する(冷やされた空気は下に留まります)ので平屋であれば天井付近、2階建てであれば2階部分に暖気は集まります。

夏であれば高窓をあけて排気すればよかったのですが、冬にそれでは暖房計画が成り立ちません。ふた昔くらい前の断熱性能の住宅で「吹き抜けの家は寒い」といわれた原因は、主にこのあたりにあります。

ではどうすればよいか?

水平方向と垂直方向、それとガラス窓付近をあわせた室温の不均一を解消するためには、2つの対処法が考えられます。


家の中を「複数の小さな部屋の集まり」に区切ってそれぞれを小さな室容積とし、感じられる温度差を できるだけ小さくする方法(暖房機は各主要室に分散配置して個別運転)と、


(空調的には)ワンルームの室内に暖房機1台の全館暖房として、上部に溜まった暖気をファンなどで 床下に強制的に移して(暖気はまた上昇するので)室内空気を縦方向に循環させる方法

のふたつです。

どちらにも一長一短はありますが、

①の「小分け分散型」は、

・夏季の通風通気のルートをどう確保をするかということ、
・いわゆるヒートショック、冬場の急激な温度低下による血管障害への対策をどうするのか、

②の「ワンルーム全館型」は、
・室温の均一さをつくりだしながら必要なプライバシーの質をいかに落とさないか、

が鍵になります。

※コストについては設置時・運転時をあわせて考えると、どちらもおおよそ「とんとん」です。

次はふたつめの日射取得、陽だまりをいかしてにつくるかです。

冬の太陽の軌道は夏とは違ってかなり低く、最も高い軌道をとる夏がオーバースローならば、冬はスリークオーターで投げる投手の腕の振りのように、水平線近くを鋭く掠めます。朝7時過ぎに東南東から昇って夕方17時すぎに西南西の空に沈むほどに、その日照時間は短く、日射量も夏のおよそ半分です。

太陽が真南に位置する正午の太陽高度は約30度です。このときに高さ2メートルの掃き出し窓に射し込む日差しの奥行きは、三角定規を頭に浮かべながら計算すると、和室の8畳間なら床の間の手前まで届きます(2.0*√3≒3.4メートル)。

以前のブログを振り返っていただいて、夏至のときの奥行きは40センチですから、南面に可能なかぎり大きな開口をとることは、冬の日差しを取り込むにも夏の日射を遮るにも、どちらにも都合がよいことがわかります。

以前、太陽光発電パネルを設置検討する際に、パネルメーカーのエンジニアさんにいろいろお伺いする機会があったのですが、パネルの発電効率を検討する際にもっとも注意しなければならないこととは、パネルの種類でも設置する角度でも地域でもなく、

「実際に設置するその場所に太陽光を遮る障害物がないこと」で、

それさえ確認できれば、まあなんとか発電計画は成立するのだそうです。

冬の日射取得についても同じで、障害物を避けてセオリーどおり、南面に開口を設けることが可能な配置・平面計画であれば、日射量が少ないといわれる山陰地方であっても、晴れた日にはそこが冬の陽だまりとなります。

朝起きる前の布団の中を例に出すまでもなく、冬のぬくもりは気持ちよくて愛おしく、陽だまりも日射量の少ない冬だからなおさら貴重といえるのかもしれません。それらをどこまでプランに反映できるのかを確認する作業は、なんだかほっこりしますね(^^)

以上、「暑さ寒さが負担とならない、ほどほど快適な家」について、まとめてみました。

夏と冬の熱の言い分をよく聞いて、うまく棲み分けができると、必要以上の動力に頼らなくともほどよい室内環境をつくることができます。

次回は「長持ちする家」について、長持ちさせるための現在の仕様や施工性について書きます。

「私家版 家づくりガイド」その2-4(夏涼しく冬暖かい家⑤)

今回から冬編です。

夏の「ほどほどに快適」な室内環境の「肝」は、一言で言えば「熱を逃がす」ことでしたが、冬は逆に、室内の熱を「逃がさない」ことが最優先事項です。

けれど夏に、どんなに防いでも熱が室内に侵入してきたように、冬も、外に逃げようとする熱のすべてを室内に留めることはできません。

その様子をよくみると、熱には、3つの「逃げ道」が用意されていることがわかります。

熱の3つの逃げ道とは、

①屋根と外壁(床下)
②窓ガラス
③換気

です。

つまり、建物全体から逃げてゆく熱量は、

①から逃げてゆく熱の量
②   〃
③   〃

の総量になります。

「逃げてゆく熱の総量」と「室内で作られる熱の総量」が同じならば、室温は一定を保ち、

逃げる熱が勝れば、室内は寒くなり、室内で造られる熱が勝れば、暑くなります。

たとえば、
外気温5℃、室内温度20℃ で一定であった場合に、

建物全体(逃げ道①+②+③)から「1時間当たり100」の熱が外に逃げてゆくとします。

そのときにストーブでもエアコンでもよいのですが、逃げてゆくのと同じだけの熱、つまり、「1時間あたり100」の熱を室内でつくりだしてやれば、室内は20℃に保たれます。

かなりざっくりした話ですが、これが室内温熱環境を検討する際の基本的な考え方で、このときの逃げる熱の量の度合いは、ほぼそのままその家の断熱性能となり、一般的にその性能値は、

性能値=逃げる熱の度合い ÷ その家の延べ床面積(または屋根・外壁・窓の総面積)で、あらわすことができます(いわゆるQ値)。

断熱材の性能とは、おおづかみに言うと、その「素材自体」の密度です。同密度では厚みが厚いほど熱を通せんぼできる割合が大きく、つまり高性能です。

断熱材について、布団状のものを壁のなかに入れたり、発泡スチロールのような板を外壁の下地に貼り付けたりする事例や、いろいろな商品の広告やCMを御覧になったこともあるかもしれませんが、こまかな空気層を多数重ねて熱を伝わりにくくする原理はどれも同じです。

工法を含めた断熱材選定について、諸説入り乱れてネット掲示板などでは「けっこうすごいこと」になっていたりもします。が、基本的な考え方は市販のカレールウを選ぶときと同じで、その製品に定められた施工をおこなえば必ず設計した性能値は出ます。ですから施工精度とコストをバランス取りしながら材料選定をおこなえばそれで大丈夫です。

ガラス窓が熱を通す量は、おおよそ断熱材を入れた壁の10倍です。

そして一般的な住宅では、外壁+屋根面の10%程度がガラス窓の面積です。

つまり外壁屋根面と同じだけ(10%の面積×10倍)の熱が窓ガラスから逃げている勘定になり、ガラスをふくめたサッシ部分の仕様・面積を含めた検討は、イメージ以上に断熱計画には有効で重要です。

過去に設計した住宅のデータを紹介します。

省エネ等級4の仕様、述べ床面積40坪の住宅の、それぞれに熱が「逃げる」割合は、

①屋根・外壁 40%
②ガラス窓  40%
③換気    20%
∴①+②+③=100%

と、なりました。暖房の熱源はペレットストーブ1台にてまかないす。

今年で完成から5回目の冬(2013年)になりますが、これまで快適に過ごしていただいています。が、快適な室内環境には、これら熱量計算のほかにあとふたつの「隠し味」が必要です。

やや長くなりそうなので、次回に続きます。

「私家版 家づくりガイド」その2-3(夏涼しく冬暖かい家④)

真正面からまともに照りつける夏の太陽は、そのぶんだけ強烈に地表面を熱します。そこに触れた空気はあたためられて上昇し気圧を下げ、風を招きます。熱自体は放射を続けてそのまま大気圏外に放出されます。だから夜は涼しいのだそうです。

避暑のために高原に向かうときに浮かぶ定番の疑問「どうして太陽に近づいているのに、標高が上るほどに涼しくなるのだろう?」の答えは、

「夏の暑さは、そのほとんどが(太陽光を受けた)地表面であたためられた空気によるので、標高がある程度上がって空気が薄くなれば、そのぶん伝わる熱も薄く(涼しく)なるから」 なのだそうです。

日射を防いでも、完全に防ぎきれなかった熱は一定の割合で室内に入ってきます。

そこで今回は、その熱を速やかに外に出す方法をご紹介します。

・あたためられると上昇する空気の特性を知り、
・その特性を生かした窓の配置と間取りの工夫をおこなうと、

室内には熱はこもらずサラッとして、風速1メートルの風は肌に触れて熱を奪うことで体感温度を1℃下げる効果があるといわれますが、風向きによれば、場合によっては寒いほどになります。

夏、室内の空気はあたためられて軽くなり、天井へ向かって上昇します。

多くの場合、天井面から窓の上端のあいだには「下がり壁」が付いているので、上昇は天井に阻まれ、上昇するルートをさがして水平移動しようにも壁に阻まれて、熱を帯びた空気はそこに留まり続けます。

そうならないように、風の出口を前もって計画しておきます。

具体的には壁の最も高い位置、天井に接するところには下がり壁はつくらずに、窓を設けます。逃げ場のない熱気に出口(窓)を与えてやると、ちょうど水を張ったバケツに穴をあけたように、熱を帯びた空気はたちまち外に流れ出ます。流れ出たら気圧が下がり、下部から空気を呼び込んでまた流れ出て、そこに気流を作り出します。

以前設計した住宅で、廊下の上部を吹き抜けにして高窓(下がり壁なし)を設け、明かり取りと排熱を兼ねたことがあるのですが、竣工後、梅雨時にお邪魔して廊下に立つと、湿気を帯びた空気が、汗ばんだ肌を通り抜けて、高窓に向かって流れてゆく様子がとてもよくわかりました。更に言えばこうした空気の特性は屋根裏や外壁の排熱にも応用されて、「通気工法」との名称で、今では木造住宅の一般的な工法になっています。

日本列島において夏の風は南東から北西へ吹いて、冬はその逆で北西から南東へ吹く、というのが基本的な流れです。

これは、夏はユーラシア大陸の地表面があたためられて空気が上昇し、低気圧となって太平洋からの風を呼び込み、冬はその逆に熱容量の大きな太平洋上の空気があたためられて大陸からの風を呼び込むからなのだそうです。

建築環境・省エネルギー機構の気象データによると、弊社のある境港の8月(7~22時)の最多の風向きは東北東で、お隣の米子市は北東、松江市では東で、平均風速は2~3メートルほどでした。たしかに境港の夏は、東からの風がきもちよく、冬は西風が厳しい印象です。

ただ厳密には風は、日ごと時間ごとに絶えず風向きと風速が変わります。その家が「よい風」を得るには、気象データに加えて周囲の建物の配置や実際に生活する時間帯の考慮が必要で、建物のほうにも風を招く工夫が必要です。

建物の工夫といっても特別なことは必要ありません。

季節や時間帯によって、よい風が通り抜けやすいように、南~北、東~西、下階~上階への通風経路をその建物のなかに確保しておけば十分です(とはいえこれはなかなか大変ですが)。排熱ができて上下の気流の道があれば、京都の町屋のように、建物自体が風を招きます。

この先、ひょっとしたら、人間が風をおこし雨を降らせることができる時代がやってくるのかもしれませんが、空気の流れにあわせた家づくりは、手間さえ惜しまなければ今日確実につくることができます。

次回からは、冬の室内環境について書きます。

「私家版 家づくりガイド」その2-2(夏涼しく冬暖かい家③)

屋根に続いて今回は外壁への日射の防ぎ方です。キーワードは2つ。

庇(ひさし)と簾(すだれ)です。
もうすこし詳しく書けば、

・南の窓の軒(庇)と
・東西の窓の簾(すだれ)

日射量は屋根面の次ですが、夏の遮熱はここからが本番です。

朝、東の壁面を勢いよく照らした太陽は、その勢いのままに高度を稼いで正午にはほぼ天空の頂にまで達します。

そこでほぼ真上から地面と屋根面にぎらぎらと光を降り注いだ後、今度は昇りと同じ勢いで高度を下げ、夕方に西の壁面を存分に熱して、西北西の空に沈んでゆきます。なんだかやたらにエネルギッシュで暑苦しいかんじです。

屋根とは違い、外壁には窓があります。窓のない部分については屋根と同じように、熱を室内に持ち込まない(断熱・遮熱)工夫をすればよいのですが、ガラス窓は「ノーガード」ですから、そこだけは温室のように、日射を透して室内を直接熱してゆきます。

日射は防ぎたいけれど、明るさや通風、そして視界の抜けは確保したい。そのためには窓は日射に対して「閉じながら開いて」いなければなりません。こうした一見矛盾することがらを実現できる方法は、実は、先人からの知恵として、今も「ふつうの家のこと」として生き続けています。

せっかくですからその仕組みを再確認しましょう。まずは南面から。

結論から先に言えば、南側壁面に当たる日差しは、平屋ならば軒が、総2階でも窓上の庇(もしくはバルコニー)があれば遮ることができます。

夏至のころ、南東に位置する午前11時の太陽はもうすでに高く、高度(仰角)75度と、建てかけた梯子くらいに急勾配です。この角度で高さ2メートルの掃き出し窓に差し込む日差しを計算すると、窓から室内に向けて、奥行き40センチほどになります。

木造住宅の場合、大抵の屋根の南側には軒が出ていて、その寸法で夏の直射日光を遮ることができます。

夏至の11時の太陽ならば計算上は、床高3メートル(平屋建を想定)のところに軒先があったならば、たいていの家(80センチの軒の出)では、日差しは室内には入りませんし、窓上端に庇を設ける場合も、一般的な庇の出(40センチ)で遮ることができます。

次は東・西面です。

東(西)側に位置したときの太陽高度はまだ(もう)低く、朝7時~8時半(15時半~17時)のあいだの日差しは、ほぼ横殴りです。

この角度では、暴風雨でさす雨傘のように、庇でも軒でも防ぐことはできません。朝はセミの鳴き声とともに、そして夕方には地表面が一日蓄えた熱とともにギラギラした光を窓越しに受けるのは、夏らしいといえばこのうえないほどに夏らしいのですが、実際のところ暑くてやってられません。そこで対策です。

いちばん効果的なのは、これらの面にいっさい窓を設けないことですが、汎用性のある考え方ではありません。

ではどうするのかといえば、まず開口は必要最小限にとどめて(かつ、外壁面積もできるだけ小さくして)、その開口にはキーワードの2つめの「簾(すだれ)」を設えて日射を遮ります。

簾でも朝顔でもゴーヤーでも植栽でも、原理としての括りは「外付けブラインド」なのですが、ナチュラルでユルいイメージに反してなかなか「いい仕事」をしてくれます。性能値でいえば、日射の80%を遮る効果があり、それは熱線反射ガラス、いわゆるlow-Eガラスを凌ぐものです。

太陽の動きは一定なので、その動きを見越して窓の位置を決めて日除けを設けてやると、効果は毎年持続して、しかもイメージ以上に効果的です。

そしてそれらは基本的には設置位置の検討+αですから、無駄にスペックを引き上げないという意味で、潜在的なコストダウンと同義です。

外からの熱を防ぐ方法に続いて次回は、室内の熱気を外に出す方法について書きます。

「私家版 家づくりガイド」その2.1(夏涼しく冬暖かい家②)

夏は、太陽光が地表面に対して垂直に、つまり、正面からまともに当たることと、日照時間が長いことにより、あれだけの暑さを生み出しているのだそうです。

植物は元気いっぱいですが、私たちがこの季節の光を直接浴び続けると、日射病や熱中症など、場合によっては生命の危険に関わります。「ほどほどに快適」をめざすとはいえ、これは絶対に避けねばなりません。

住宅の夏の日射の防ぎ方について要約するならば、

・窓は日射しの通り道をできるだけ避けて
・屋根と外壁は熱を室内に伝えにくいつくりにする

といえるのでしょうが、もうすこしだけ詳しく、屋根と外壁に分けて書いてゆきます。

自らが動くことのできない住宅が、夏の日射を遮るためには、相手(太陽)の動きを知って、日射しが「自分」のどの部分に当たり、どこを通るのかを知ることがはじめの一歩です。

夏の太陽は一年を通じてもっとも高い軌道を通ります。

夏至の正午にはほぼ真上から降り注ぐくらいの高度(角度)となるのが特徴で、前回のブログにも書きましたが、夏に建物が最大の日射を受けるのは屋根面です。次に東と西面の壁、南面の壁と続いて、北面の壁がもっとも日当たりが悪いです。

それでは日射の防ぎ方について、まずは屋根面からです。

天窓を除けば、住宅の屋根には瓦や鉄板や下地材などが用いられ、ガラスなどの光を透す材料が使われることはありません。

室内への日射対策は、光を透さなければ、つまり「屋根があれば」、ひとまずは大丈夫です。けれど話はそれでは終わりません。

太陽光を受けた瓦や鉄板は、ちょうど電子レンジであたためられるお弁当のように徐々にそれ自体が熱を帯びて(同じ原理なのだそうです)、下地材へと伝わってゆきます。

熱は高いところから低いところへ流れるので、瓦(鉄板)から下地へ伝わった熱は、屋根裏の空気を経由して天井に伝わり、やがて室内まで到達します。これを防ぐためには、熱を伝えにくい素材を屋根から室内までの間に入れて通せんぼしてやることが必要で、このことを「断熱」といいます。

断熱に対して、その考え方と材料がまだ普及していなかった時代の家の2階に上がると、夏の午後には長居できないほどの暑さになることがあります。

それは午前中のうちに熱せられた屋根材が屋根裏空間の蓄熱容量を超えた熱源となってオーバーヒートをおこし、その熱が2階の室内にも及んでいるからで、いうなれば当時の家は屋根裏の空気と天井と、場合によっては2階の部屋までが断熱層の役割を果たすことで1階の室内環境を太陽の熱から守っていたことになります。

それじゃあんまりだよと叫ぶ、子供の頃の私をふくめた当時の2階の住人たちの声を聞いてくださったのかどうかはわかりませんが、現在流通している断熱材のほとんどは、一般的な屋根裏空間、いわゆる屋根の三角部分を必要としないほどに高性能です。

そしてすべての商品名を把握できないくらいに多種多様で、「日本住宅性能表示基準」によると、断熱材の仕様は7つの区分にわかれ、種類だけでも合計で31あります。

それぞれの違いや特徴についてはあとで詳しく書きますが、その家の断熱性能を要約すると以下の式、

※その家の断熱性能
={(断熱材仕様+設計精度+施工精度)*施工面積}-ガラス窓と換気による熱損失

にまとめることができます。


焚き火にあたっているとき、誰かが前に割り込むと、とたんにあたたかみが消えてしまいます。

これは炎から出る遠赤外線が前の人によって遮られるからで、このように熱線を遮ることを「遮熱」といい、太陽光も熱線に含まれます。焚き火の前に割り込んだ人や晴天の日傘などはちょうど、遮熱材の役割を果たしているともいえます。

実際に使用した事例を私自身はまだ持ちませんが、アルミなどの金属を蒸着した遮熱シートを複層の屋根下地に貼ったり、改修工事では屋根表面に遮熱性能をもった塗料を塗ることもあるようです。反射率の高い色や素材を選ぶことは、シンプルですが手堅い遮熱の手法ともいえます。

遮熱材の国内販売がはじまったのはこの10年くらいのところで、まだ公による分類や性能に応じた仕様は定められてはいません。が、実際に使用され公開されているデータからみると、相応の効果はあるようです。私見ですが、いずれは断熱材をアシスト(特に外断熱で有効だと思います)する方向で基準が固められてゆくのではないかと予想しています。

次回は、外壁への日射の防ぎ方についてです。