城岸(じょうがん)左官工事店さんとは、私がまだ山中設計さんに在籍していた頃からなので、もう10年来のお付き合いになります。オープンシステムの事例も含め、現在、鳥取県西部を中心に、さまざまな現場でご活躍(なかなか手が空かなくて、今回、ここまでのほとんどを休日返上で施工してもらいました)です。
本家の建替え、せっかくの機会ですから存分に腕をふるってもらおうと、玄関ポーチ、水廻りのタイル貼りなどの左官工事は、大枠の意匠はお伝えしたものの、ディテールについては「お任せ」でお願いすることとなりました。
どんな仕上がりになるのかを楽しみに待っていたのですが、先週末、「玄関ポーチのボーダー(縁取り)部分を墨入りモルタルの島石風に仕上げるからワタナベさん、見に来ませんか」と誘っていただき、いそいそと現場に出かけた次第です(^^)
今回は、そこで見学した様子をお届けします。
光沢のない、柔らかく枯れた感じは、庭石や灯篭、縁側の沓脱石、和風建築の束石などに用いられ、大根島の島内にある標識は、その足元が島石で根巻きされてもいます。そうした独特の風合いを持つ島石ですが、モルタルでどのように再現するのか?
その方法は、まず最初に、砕いた発泡スチロールの粒(と墨)を混ぜたモルタルをコテ塗りします。
次に、モルタルが硬化、乾燥したら、表面をグラインダーで削り取ります。すると、
このあとに施工されるボーダーの内側は、濃灰色のモルタルをベースにして、那智石(黒色)が洗い出しにより浮かび上がる予定です。