先日、リノベーション1期(2015年)のメンテナンス工事を終えた「Mマンション」は、現在リノベーション7期工事が進んでいます。
5期・6期工事の仕様をほぼそのまま踏襲しながら、内装の色調を「少しだけ『軽快な』方向へ振った」計画としてはじまった7期ですが、「その現場ごとにあらわれる『解決すべき課題』」は、やはり今回もありまして^^、関係者一同、さて今回はどんなふうに解決しましょうかと手薬煉を引いています・・
先日、リノベーション1期(2015年)のメンテナンス工事を終えた「Mマンション」は、現在リノベーション7期工事が進んでいます。
5期・6期工事の仕様をほぼそのまま踏襲しながら、内装の色調を「少しだけ『軽快な』方向へ振った」計画としてはじまった7期ですが、「その現場ごとにあらわれる『解決すべき課題』」は、やはり今回もありまして^^、関係者一同、さて今回はどんなふうに解決しましょうかと手薬煉を引いています・・
立秋を過ぎ、暦の上では秋ですが、境港は例年以上の暑さが続き、そして雨が降りません。皆様お住いの地域はいかがでしょうか?
現場での挨拶が「暑いですねえ」からはじまるこの季節に、「ファン付きの作業着」を着用している方の数は加速度的に増えていますが、先日、着ている方にお話を伺ったところ、一度着ると手放せなくなり、(ファンを回す)バッテリーの充電をうっかり忘れたときは「もう、めっちゃブルー」になる、とのことでした^^;
週間予報によると、境港、そしてお隣の米子市、松江市を含んだ鳥取県西部、島根県東部は、まだしばらく気温の高い日が続くようです。外で作業される方も、室内ですごされる方も、適切な温度管理と適度な休憩・水分補給など、くれぐれもどうぞご自愛ください。
追記:
昨日の日向灘の地震を受け、気象庁より、南海トラフ地震臨時情報 が発表されています。「調査中」である現在、特に「注意が必要な地域」にお住まいの方、これから立ち寄られる方には、くれぐれもどうぞご安全に、ご注意なさってください。
「 Mマンションリノベーション 1期」のメンテナンス工事は、先日完了しました。
主要な床である、杉無垢板は、表面を全て削り取ったうえで「オイルふき取り」の仕上げ直しをおこないました。和室の床については、和紙畳に新調しています。
天井・壁は、それぞれの素材の良さと各面の風合いがより活きるように、端部と取り合い部分の色調を見直しています。
工事期間中、部分的に生活動線が工事関係者のそれと重なることが避けられないなかで、マンション入居者の皆様には様々な場面でご協力を賜りました。
あらためてこの場をお借りして御礼を申し上げるとともに、まもなく着工する「リノベーション7期」においても、引き続きよろしくお付き合いの程、お願い申し上げます。
そしてオーナー様、今回もお声掛けいただきありがとうございました。
少し間が空きましたので、まずは 前回 のお浚いから。
上の動画、「極めて稀な地震」の1.5倍の力に対して倒壊した、建物モデルに、
「窓の面積を小さくする」修正、つまり窓下の小壁を増やすことによって倒壊を防いだのが、上の動画の建物モデルです。
今回は、この建物モデルをベースにして、屋根などの「水平構面」と呼ばれる部位が、建物の耐震性にどのような影響を及ぼすのか、「見える化」をおこないます。
上の画像は先程のモデルから、「屋根面と火打梁 の構造強度に関するデータ(ひとつ前の動画で「薄いグレー」になっている、建物上部の水平面が「それ」です)」を、全て取っ払ったもの※です。
※但し、荷重はそのまま残してあり、1階床は存在しています。
屋根のない建築物、というのは現実ではあり得ませんが、この屋根(と火打)なしのモデルを先程の「極めて稀な地震の1.5倍」で揺らすと、どのような挙動、応答を示すでしょうか?
それでは早速、揺らしてみましょう。
建物モデルを真上から見下ろした時の「梁・桁などの横架材で囲まれた長方形」が水平構面と呼ばれる部位です(これに対して、耐力壁は「鉛直構面」と呼ばれます)。
この長方形に、地震(や台風)などの水平力が加わった際、通常は、「長方形から平行四辺形へ」変形しないよう、屋根面や火打梁などが抵抗するのですが、これらの要素を取っ払った、「ほぼノーガード、無抵抗」のこのモデルでは、水平構面の変形が増した分だけ更に、柱や壁などの鉛直構面の変形量が増して、やがて建物上部の重さを支えきれない程の変形量(傾斜角)になり、倒壊してしまいました。
追記:
建物倒壊のメカニズムについて、もう少し詳しい解説をお求めの方には、併せて こちら をご覧ください。
前回 の後半部分で取り上げた、「①耐力壁の配置バランスが崩れることで、②(鉛直構面の)変形が増して、③建物上部の重さを支えきれなくなり、④倒壊」したモデルに、「壁の量(窓下の小壁)を増やす」修正をおこなって、「倒壊しない構造強度」を得ることができましたが、
今回もその手法に倣ってみます。
具体的に言うと、上の画像のように、外壁両側面と正面窓下の小壁を増やし、加えて正面窓下の小壁を補強(幅1.82m高0.4mの構造用合板を1枚、増し貼り)してから再度、「極稀1.5倍」で揺らしてみました。すると、
(倒壊したケースと比較すると)ちょうど真逆のメカニズムですが、壁(鉛直構面)の変形量が減少したことによって、水平構面の変形も抑えられて、今度は倒壊には至りませんでした。
繰り返しになりますが、「屋根のない建築物」というものは、現実の世界では(建築基準法上も)存在しません。
ですが、今回の一連の実験を通して「見えた」こと、
つまり、「水平構面の強さが構造強度に及ぼす影響や、水平構面と鉛直構面(耐力壁)の、構造強度上の関係性と相互作用が把握できていること」は、中低層建築物の、特に吹抜けのある計画案を検討する際には、非常に重要な(というか必須の)知見であると感じています。
次回、柱や梁などのそれぞれの接合部の「強さ」と耐震性の関係性について、例によって個別のモデルを具体的な地震波で揺らすことで「見える化」をおこないます。
Mマンションは、リノベーションから 9年が経過した1期工事(2015年)分において、現在仕上材の「化粧直し」が進んでいます。
所謂「突板」ではない、無垢材の床表面を削ってあらたな床面をあらわしたり、開口枠や巾木など、その他の木部についても、少しだけ色調を変えています。