建てる前に読む 家づくりの基礎知識(日経アーキテクチュア編)

一般の建築主さんに読んでもらう本として企画されたものの、連載された 「日経アーキテクチュア」 (建築分野の専門誌) では、予想に反してプロからの反響が大きかったというこの本ですが、実際に読んでみると、なるほど 「歯ごたえ充分」 で、恥ずかしながら正直に告白すれば、一次エネルギー消費量、そして戦前からの用途地域の変遷については、ああそうだったのかと、ここでしっかりと学ぶことができました。

本は、

第1章:省エネの基本
第2章:木造住宅
第3章:住宅の納まり
第4章:住宅の設備
第5章:住宅の構造
第6章:住宅の法規

の6つの章から成って、それぞれの分野について、宿谷昌則さん、三澤康彦・文子さん、伊礼智さんなど、現在第一線でご活躍の、実務者の皆さんのお話がインタビュー(講義)形式で綴られています。

それぞれのトピックは、

「混同しがちな断熱と遮熱の役割」 (第1章)
「床や屋根が弱いと力が壁に伝わらない」 (第2章)
「木造住宅に対する2つの誤解を解く」 (第2章)
「敷地境界と建物の関係、もめないルールは?」 (第6章)

など、合計50項目で、それぞれ絶妙な構成と目のつけどころです。

「日経アーキ本」 ではおなじみの宮沢洋さんのイラストも、いい味です。これまでの 「家づくり本」 ではいまひとつ腑に落ちない方や、雑多な情報に振り回される前にしっかり「軸」 をつくって家づくりに臨みたい方、あるいは計画を進めるなかで疑問をお持ちの方に、専門用語にすこし骨が折れるかもしれませんが、「よく効く」 はずです。

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