瓦葺き(彦名の家)

「彦名の家」は、10月末(大安そしてハロウィン^^)に上棟を迎えましたが今回は、瓦工事の模様をご紹介します。

住宅の屋根仕上材には、瓦のほかに金属板、スレート(=石質の薄板)などがありますが、瓦、の一括りのなかにも、形状によりJ型(和瓦)、F型(平板瓦)、S型(スペイン瓦)などに分かれ、色も様々です。今回、「彦名の家」に葺く瓦は、漆喰仕上である外壁とのバランスを考え、形状はJ型(和瓦)、色は「いぶし色(錆びたグレー)」を選択しました。

上の写真は、瓦葺き前の下地の様子です。防水シートの上に並べられている桟木は、瓦の「割り付け」の基準線と固定用下地を兼ね、通気(と万一の排水)のため、下端に切欠きが設けてあります。切妻屋根の「尾根」部分(棟、と言います)に見える2ヶ所の黒い樹脂製の箱は、屋根裏を換気するための部材です。

瓦は、軒先(水下側)側から棟(水上側)に向かって一枚ずつ、取付をおこないます。

釘止めは一本ずつ、手作業でおこなわれるのですが、この手作業をひたすら繰り返し繰り返し繰り返して、

屋根面の瓦の設置が終わり、この後、棟部分の瓦を取り付けて、

瓦工事の完了です。

職人さんの話によると、今回のような和瓦(先述のJ型)を施工することは少なくなったそうで、平板瓦(同F型)が最近の主流かなあ、とのことでした。

とはいえ、上の写真のように、伝統的な和瓦が醸し出す、このテイストはやはり「いいもの」で、瓦工事完了後に眺めると、屋根面に和瓦特有の曲面と、いぶし瓦のつや消しグレー色が加わった効果なのか、建物全体がキュっと引き締まったようでした。

最終的には、この屋根面のグレーに、外壁仕上である漆喰の「白」、軒裏や柱、ウッドデッキなど外部木部の「こげ茶」が組み合わされ、その周囲に植栽の緑が配される本計画は、私自身仕上りがとても楽しみであり、引き続き着実な作業を関係者一同、チーム全員で続けてゆきます。