給水給湯配管(Mマンションリノベーション)

「Mマンション」は、給排水設備の配管工事が完了しています。

写真左の、これから床下となるところに並んでいる青と赤の6本、人体図に描かれる静脈と動脈のように見えなくもないですが、青が給水管で、赤が給湯管です。

写真右上、水道主管から取り込まれた水(とお湯)は、「ヘッダー」と呼ばれる分岐用金具によって、台所、洗面、洗濯機、浴室・・・といった、それぞれの行先に振り分けられます。

給水(湯)経路は「ヘッダーから台所、ヘッダーから洗面、ヘッダーから洗濯機・・」というように、それぞれ個別の専用管で設けるため、これ以前の工法※に比べて配管の総長さ、つまり材料コストは増すものの、施工性とメンテナンス性に勝ることで、現在ではほぼ一般的な工法になりました。

この工法は、後述する さや管と架橋ポリエチレン管で構成される配管を、ヘッダーで分岐することから、「さや管ヘッダー工法」と呼ばれています。


「さや管ヘッダー以前」では、水道主管(本管)から取り込んだ管を、ちょうど蟻の巣穴のような「1本の管を基にして、必要な個所だけ分岐させた」経路を、塩化ビニール管(大昔は鋼管)でつくっていました。

給水、給湯管は、

・表面:赤または青色の、さや(鞘)管
・内部:白色の、架橋ポリエチレン管

の二重構造になっています。 可とう性樹脂管であるさや管は、内部の架橋ポリエチレン管の保護材に加え、ヘッダーから当該給水(湯)栓までの配管ガイドにもなっていることにより、万一の管の交換にも 床等を撤去することなく、 さや管内部を通る、架橋ポリエチレン管「のみ」を入れ替えることで対応できます。

大掛かりな解体等を避け、工事を必要最小限に留めようとする意図は、ひょっとするとカテーテル治療や内視鏡手術に通じるものがあるかもしれません。

床下にヘッダーが納まる位置には、点検口を設けます。