実験開始の15分ほど前に到着すると、会場には既に実験用の架台が組み立てられ、加圧用のジャッキもセットされて準備万端です。この写真には写っていませんが、右手には、取材用のテレビカメラが並んでいます。
・どのくらいの荷重で
・どれほど曲げ変形をおこすのか
を、時系列に計測しながら進んでゆきました。
バーが上下しジャッキからの荷重が増してゆくほどに、杉材も徐々に「たわみ」を増してゆきます。当日とったメモによると、曲げ変形の量(変位)が7.5センチほどになったころ、「バキッ」という大きな音とともに、
木材の曲げ破壊が、「木材の下端の繊維が(引っ張りに耐えきれなくなって)切れる」原理で引き起こされるのは、理屈では分かっていたつもりでしたが、頭の中のイメージ以上に杉材が粘り強いことを実感できたのは大きな収穫でした。併せて、おなじみの条文である建築基準法施行令第44条「横架材にはその中央部付近の下側に耐力上支障のある欠き込みをしてはならない」についても、すとんと肚に落ちました。