宮崎駿さん

スタジオジブリ、宮崎駿さんの引退記者会見を遅ればせながら昨日みました。

これまではジブリ作品といえば、

「打ち合わせの際、お子さんに観てもらうもの」

といったくらいの距離感だったのですが、先日観に行った「風立ちぬ」にすっかり打ちのめされてしまい、そこから宮崎駿さんっていったいどんなひとなんだろうと、雑誌とNHK「プロフェッショナル」に引き続いてノーカットの2時間弱でした。映画同様、終了まであっという間でした。

ときおりユーモアを交えながら質問に答えられる様子を高僧の念仏を聴く馬のごとく、けれど馬なりには精一杯目と耳を傾けていたのですが、そのなかで発せられる言葉の、身を削ったフィジカルな重みには、そこからの重力にどんどん引き寄せられてゆくようでした。

ご自身の手描きが前提である、これまでの制作方法を貫かれたが故の、体力的にそれがもう叶わない長編作品からの引退なのだそうです。残念です。

とはいえ、

「映画にメッセージは込められない。なんだかよくわからないけどこっちだろうと思って進みながら、その意味は意識の上では追い切れないし、わかってしまうレベルでは、ロクなものにはならない」

など、まだまだ最前線でつくられる気配満載のコメントもされていたりだったので、数年後に

「なんだかしらないうちに話がふくらんで、短編だけど1時間40分の作品です。」

みたいな発表があるのを気長に、楽しみに待とうと思います。
映画、もう一回観に行こうかな・・・

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