風のちから

今年は台風が続きますね。10月にこれだけ続くのは歴代タイ記録だそうです。

今回は建物と風について、我が身の復習を兼ねて以下、記してみます。しばらくおつきあいください。

ニュースなどで台風の勢力をあらわすとき、

「最大風速」(10分間の平均値)と、
「最大瞬間風速」(3秒間の平均値)と、

風速をふた通りに分けて呼んでいますが、建築基準法にて想定する風の強さは「最大風速」(10分間の平均値)のほうで、地域により30~46m/秒の範囲で定められています。

境港は30m/秒の地域にあたり、気象庁のホームページをみると境港の観測史上の最大値は、最大風速が19.5m/秒、最大瞬間が42.0m/秒で、ともに1991年の19号台風で計測されたものでした。

秒速30mは、時速に計算しなおすと108kmに相当します。このときの風圧力は大雑把に計算すると約54kg/㎡です。風を受ける面が10㎡に拡がると540kg、2階建て40坪程度の住宅の外壁一面を50㎡と仮定すると、その力は2.7t にもなります。

このほかに建物の形状と高さ、周囲の建物の有無などを考慮したものが構造計画時に求められる風圧力で、一般的な木造住宅の場合、風を受ける面に直交する壁で構造を支える考え方がその強さの根拠となります。

空気の密度は水の1000kg/立米に対して1.2kg/立米と非常に小さく、普段その存在をあまり意識することはないのですが、規模と力を持つと風力発電のようなエネルギーの源となる反面、私たちの生活を脅かす脅威ともなるのだと、雨や竜巻、台風が続くこの季節にあらためて思い直しています。

台風27号は進路が東に振れたようで、砂地で平地の境港はこれから雨降りが続くのみのようですが、強風・暴風域の方々、川沿いや山あいにお住まいの方々には、引き続きどうぞご注意なさってください。

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