紅葉の効用

11月にはいって、境港は朝晩が寒いです。
そろそろ山も赤や黄色に色付いているだろうと、外出の脚を大山まで伸ばしました。大山道路を登って大山寺を抜けて、枡水から鍵掛(かぎかけ)峠を越え奥大山で折り返す道中のところどころで車を停めると、木々も地面も秋の色です。

電線や電柱、外灯のない白樺のトンネルを歩いていると、すーっと心が洗われるような清々しさで、どうすればこんなふうにここちよい場所ができるのだろうとも考えたのですが、いまここでその考えは不粋だよなあと思わせるほどに、その空気は引き締まって澄んでいます。

午後も遅めに思いついて、平日だし、さすがにこれからならば人出も少ないだろうとタカを括って出発したのですが、当初の目的地だった鍵掛峠の駐車場は、到着はもう夕方だったにもかかわらず自家用車でいっぱいでした。

急遽奥大山まで脚を延ばしてからの復路、運よく入違いで空いた一台分に滑り込み周囲を覗うと、どうやらこの時間帯は笛吹山に夕日が映えるシャッターチャンスのようで、私たちを除く大多数の方が三脚などの機材を備え、夕日を遮る雲が去るのを待ち構えておられました。

閉店時間が迫るソフトクリームの誘惑に負け、残念ながら夕映えの前にその場を後にしたのですが、途中、すこし下った一の沢から見上げた山の斜面がとてもきれいでした。

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