コストから逆算したプランニング(前編)

今シリーズ最終回です。これまでの話を基に、コストから逆算したプランニングについて書きます(追記:長くなったので3回に分けます)。

まずは、これまでの話を(A)~(E)の5点に絞って要約します。

(A)家づくりの現場の作業は分業制でおこなわれます。分業とは、

イ:各専門工事業者
ロ:工事管理者

に分かれて、これに、

ハ:材料

を加えた3つが、物理的、実質的な家づくりに必要不可欠な要素です。

(B)また、ある家一軒にかかるコストは、

ニ:着工前に必要なコスト
(①事前調査費 ②設計図書作成費 ③公的申請費)
ホ:工事に必要なコスト
(④専門工事業者の人件費 ⑤現場管理者の人件費 ⑥材料費)
ヘ:工事以外の経費
(⑦事務所経費 ⑧広告宣伝費 ⑨雑費)

の3分類、9項目に分けることができます。

(C)このうち、

ニ(着工前に必要なコスト)と、
ホ(工事に必要なコスト)

は、

1:敷地条件
2:建物形状
3:規模
4:仕様

によって異なり、

(D)ヘ(工事以外の経費)は、「家づくりの仕組み」の仕組みの違い、

つまり、
1:直営方式(普請):業務効率最も高い、建築主への負担最大、
※建築主=「旦那」への負担分がコスト減
2:一括請負方式:建築主への負担最小、業務効率最も低い、
※軽減された建築主への負担分がコスト増
3:分離発注方式:1と2の中間

といったふうに、一長一短があります。

(E)顕在コストのみの比較であれば、
1:直営<3:分離発注(または2´:原価公開一括請負)<2:一括請負

といった序列になります。

では次に、クライアントさんの視点から、家づくりがどのように見えて、実際にどのようなことが起きるのか、シミュレートしてみます。
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