猫の爪研ぎ場所(前編)

先日、「川沿いの白い家」のクライアント様から、ご自宅の引戸補修について、ご相談の連絡をいただきました。

電話でお話を伺ったところ、引戸は室内のもので、補修内容は、レールや戸車などのいわゆる消耗部材の交換ではない様子です。ともかくまずは現況確認に伺いますとお伝えし、後日お邪魔したのですが・・・

引戸は、上の写真のように、框(かまち)組みされている枠材の、手前側の縦枠が、鋭利な何かで削り取られた状態になっていました。

クライアント様にお伺いしたところ、この場所は、猫のお気に入りの爪研ぎ場所になっているとのことで、そう、「鋭利な何か」とは猫の爪で、この実行犯(笑)は猫でした^^

逆方向からの写真を見ると、削り取られた様子が更によくわかるのですが、厚さ30ミリの縦枠が、場所によっては1/3程度しか残っておらず、このまま爪研ぎが続けば、現状の構造を保てなくなる可能性もないとは言えません。

枠材の樹種はスプルース(マツ科)で、内部建具によく用いられるものなのですが、しかし、これほどの状態になるまでに爪研ぎしたこの場所は、猫にとって、よほど気に入った場所なのだろうなあと妙に感心しながら、何か対策を考えなければなりません。

とはいえ仮に、枠材をあたらしいものに交換しても、ここが猫のお気に入りの爪研ぎ場所であれば、「同じこと」が繰り返されそうでもあります。

うーむ、さて一体どうすればよいでしょうか・・・

(「後編」へ続きます。)