竣工(Mマンションリノベーション 6期)

「Mマンション」は先日、リノベーション工事 が完了しました。

今回の6期工事は一見、前回の5期工事とほぼ同じ意匠(建具の色調を少しだけ変えています)の仕上がりです。が、よくよく目を凝らして見ると、建具、衛生設備、玄関のそれぞれにおいて、「この年代のマンションの、リノベーション計画の際に起こり得る課題」に対して、回答のひとつとなるであろうディテール※を備えています。


それぞれの具体例については、(どうやら長文になりそうなので)折を見て、どこかの機会でお話しさせてください。

それらのディテールの決定については、例によって、専門工事業者の皆さんに、積極的な提案とともにご尽力いただきました。

素材の選定や納まりなど、こちらから投げかけた原案に対して、施工手順や固定方法、あるいは表面仕上げについて、「普通に、工事として成り立つのか?」どうかをコメントしてもらい、そのコメントを元にして、加筆修正した第二案をまた投げかけて・・といった繰り返し(大抵は現場で、ああでもないこうでもないと言いながら)によって、それぞれのディテールは練られてゆきました。

今回の現場は、(マンション全体から見ると)最も奥まった位置の室であったため、設計・施工者、資材搬入や産廃搬出などの工事用車両については、主に「ほぼ直通」となる、裏手の第二駐車場を使用させてもらい、工事関係者一同とても助かりました。

とはいえ、同時進行で実施したエントランス部分の改修工事と併せて、部分的には生活動線が工事関係者のそれと重なることが避けられないなかで、工事期間中、マンション入居者の皆様には様々な場面でご協力を賜りました。ご高配にあらためてこの場をお借りして御礼申し上げます。

そしてオーナー様、今回もお声掛けいただきありがとうございました。

機器取付(Mマンションリノベーション 6期)

Mマンションは、リノベーション6期工事の終盤戦に入っています。

前々回のブログでご紹介した天井下地はシナ合板を仕上材に貼り、そのほか、水性塗料や壁紙などで仕上げた内装工事も完了して、現在、空調・電気・給排水の各種機器を取り付けています。

次工程の「建具立て込み」が終わると、養生材を撤去して、竣工前の美装(クリーニング)工事をおこないます。

「『住宅設計.jpAWARD』へのご案内 」のご案内

ややこしい表題で申し訳ありません^^;

「住宅設計.jp」 は、コロナ禍の建築家を応援するためにスタートしたポータルサイトです。弊社事例も数点掲載してもらっています。現在Google、Yahoo検索の「住宅設計」において、第1位となっているようです。

このサイトでは、ご自身が住んでみたい住宅に投票してもらう、「住宅設計.jpAWARD」を開催中(弊社は「東津田の家」をエントリーしています)なのですが、事務局H様より以下のご案内をいただきましたので今回、転送してご案内します。

・・・只今、住宅設計.jpサイトにて、AWARDを開催しております(投票期間は10月31日までとなっております)。こちらのAWARDでは受賞者の方と投票者の方にも賞金や賞品を獲得できますので、是非多くの方にご参加頂ければと思っております・・・

とのことです。夏ごろに開催のご案内を貰っていたのですが、期間ももう終盤、早いですねえ。

「投票者には賞金・賞品盛りだくさん」とのことで、もしよろしければ一度、ご覧いただければ幸いです。

https://xn--pqqp11avm0bhea.jp/

増設配線(Mマンションリノベーション 6期)

今夏に5期工事が完了したMマンションは、現在、6期工事が進んでいます。

今回も、フルリノベーションをおこなうのですが、設備改修は、給排水設備のほか、

電気設備の主な増設配線についても前回同様、露出配線とならないよう、新設する天井懐のなかを通します。上の写真、天井奥側に見える、エメラルドグリーン色の板状の材は、断熱材です。

天井の仕上材は、この下地の上にシナ合板を「目透かし」に貼ります。

風のちから

指折り数えながら振り返ってみたのですが、今年は数年ぶりの「台風の上陸が早い年」のようですね。

そこで今回は建物と風について、我が身の復習を兼ねて、頭のなかを整理しながら記してみます。もしよろしければ、しばらくおつきあい願います。

ニュースなどで台風の勢力をあらわすとき、

「最大風速」(10分間の平均値)と、
「最大瞬間風速」(3秒間の平均値)と、

風速をふた通りに分けていますが、建築基準法で取り扱う風の強さは、10分間の平均値である「最大風速」のほうで、地域により30~46m/秒の範囲で定められています。

弊社がある境港市は、建築基準法上は「30m/秒」が想定される地域です。気象庁の過去の観測記録を読むと、境港のこれまでの最大値は、最大風速が19.5m/秒、最大瞬間が42.0m/秒で、ともに1991年の(「戦後最大級」と警戒された)19号台風で計測されたものでした。

秒速30m/秒は、時速に直すと108km/時です。この風を「1㎡の壁」が受けた際の風のちから、風圧力を計算すると、約54kg/㎡です。仮に、2階建て40坪程度の住宅の外壁の、ある一面が50㎡であった場合、その面が受ける風圧力は、54kg/㎡*50㎡=2700kgで、2.7t にもなります。

この値に、建物の形状と高さ、建物周囲の環境などを考慮・加味したものが、建築物の構造計画時に求められる「正味の」風圧力で、一般的な木造住宅の場合、風を受ける面に直交する壁(耐力壁)で構造を支える考え方が、その構造的な強さの根拠となります。

空気の密度は、水の「1立米あたり、1000kg」に対して「1立米あたり、1.2kg」と非常に小さく、普段その存在をあまり意識することはないのですが、集めることでヨットの推進力になり、規模を増すことで風力発電のような「エネルギーの源」となる反面、私たちの生活を脅かす脅威にもなり得るのだと、この時期にあらためて思い直しています。