前回のブログを書く際にカーボンオフセットについて調べた折、興味深いウェブサイトに出会いました。
「森林・林業学習館」という名前の、どうやら個人で運営されているサイトのようなのですが、木と木を取り巻くさまざまについて、幅広く深くそして大変わかりやすく紹介されています。木材については日頃関わっているつもりのわかったつもりになっていたのですが、拝読しながら林業の現状、木材流通の現状についてあらためて知ることが多かったです。
そのなかに木材が吸収し留める二酸化炭素の量を計算してくれるページがあって、樹種と床面積を入力すると木造住宅一棟分のおおよそのCO2量を計算することができます。試しに樹種をスギ、延べ床面積を115㎡(35坪)と入れて計算ボタンを押すと出た炭素重量は約12,000キログラムでした。これは空気量に換算すると東京ドーム16杯分の容積なのだそうです。
2010年に公布・施行された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を受け、全国各地に木造の公共建築が増えています(弊社近くではJR境線の米子空港駅と境港警察署の米子空港派出所があります)。
この流れは公共建築以外の大規模建築物にも波及しているようで、横浜では「サウスウッド」(構造設計、施工/竹中工務店)が先月完成・オープンしましたが、これは国内初の防火地域内に建つ耐火木構造の大規模商業施設で、構造体の柱・梁は木肌のままで使用されています。
戦後まもなくに植林された国産のスギやヒノキが伐採期に入っていますが、ウッドマイレージ(=輸送に伴う環境負荷)の小さい地産材を用い、風合いや断熱性、比強度など木の良さを活かした気持ちのよい空間づくりに貢献できるよう、私もさらに研鑽に努めます。