家ができてゆくシステム(逆算プランニングその1.5)

建物予算とボリュームを初期段階に大掴みするためには、2014年の今でも、まずは坪単価から割り出します。けれど重宝するのは初期段階までで、理由はコストダウンに結びつかないからです。

その理由を説明する前にちょっと寄り道して、実際に家(建築物)がどのようにつくられてゆくのかを見てみましょう、というのが前回のお話でした。

で、そこからいきなり脱線して恐縮ですが、構造計画の話をします。

建物構造の安全を確かめる手順は、

①その建物に加わる力の大きさと向きを想定する
②それらの力が、建物のどの部分にどれだけ加わるのかを解析する
③その力に対して、各部材が安全であることを確認する、または安全な部材を選ぶ

といったように、3段階に分けることができます。

柱や梁などに流れる力の強さをその部材ごと、ひとつひとつを解析して、それぞれに適切な強度を選んでやることは、構造計画の最も重要な「肝」の部分であり、費用対効果においても最も堅実なやりかたです。どんなに高性能のダンパーでも、必要なところに設置されなければ却って危険です。

同じように、その建物ができる仕組みのなか、現場においての人と資材の動きから、建物各部分のコスト量を計ることは、コストから逆算したプランニングの一合目で、コストダウンへの最も堅実なやりかたです。

前置きが長くなりましたが、そのような動機に基づき、現場にて家が、誰がどのように関わることで物理的にそのカタチを成してゆくのか、そのシステムについて書いてゆきます。なんだかヤヤコシそうですが、本質はいたってシンプルです。

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