床下点検口2.0

「広い縁側の家」は現在、内装仕上げがはじまっています。上の写真は、弊社定番の「フチなし床下点検口」 です。

今回の点検口、一見これまでと特に変わりない意匠ですが、中身のところでは実は、あたらしいチャレンジに取り組んでいます。

今回は諸々の要因により、これまでのような基礎断熱(※)ではなく、「断熱材を床直下に配する」いわゆる床断熱として、設計をおこないました。断熱材の位置=内部と外部の境界線、となることから、上の写真のように点検口を開くと、その先は直ぐに外部空間、となります。

このようなケースでの点検口には、床下空間と室内の温熱環境を分け隔てるための気密、断熱性能が求められ、フチなし点検口を用いる場合でも、同様です。

(※)断熱材を基礎立上り外周部に配し、床下が室内と同じ温熱環境となるような断熱方法

こうした課題を与えられて、往年のテレビ番組、プロジェクトX風 (+田口トモロヲさん風^^)に言えば、「断熱仕様のフチなし点検口を実現すべく、、、ワタナベ達は立ち上がった」のですが、結論から言えば、ハッチの最下層に断熱材を配する以外は特別な部材や納まりを用いることなく、充分な気密、断熱性能を確保することができました。

参考までにそのメカニズムをご紹介すると、ハッチ自身の重みと断熱材の硬さの塩梅が、どうやら点検口の気密確保にとって、ちょうどよい具合だったようです。

今回に限っては、意匠面には目をつぶって、建材製品の断熱タイプ採用も考えたのですが、案ずるよりも産むが易しを地で行くようなフチなし点検口の 「進化」に、これから床断熱仕様の案件に取り組む際にも自信をもって、クライアント様にお勧めすることができそうです(秦棟梁、進言いただきありがとうございました)。

本計画では、最終的に点検口は天井に1カ所、床下は、基礎梁で囲まれたエリアと給排水設備の配管などを勘案して、収納スペースなどに3カ所設置しています。

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