今回の点検口、一見これまでと特に変わりない意匠ですが、中身のところでは実は、あたらしいチャレンジに取り組んでいます。
このようなケースでの点検口には、床下空間と室内の温熱環境を分け隔てるための気密、断熱性能が求められ、フチなし点検口を用いる場合でも、同様です。
(※)断熱材を基礎立上り外周部に配し、床下が室内と同じ温熱環境となるような断熱方法
参考までにそのメカニズムをご紹介すると、ハッチ自身の重みと断熱材の硬さの塩梅が、どうやら点検口の気密確保にとって、ちょうどよい具合だったようです。
今回に限っては、意匠面には目をつぶって、建材製品の断熱タイプ採用も考えたのですが、案ずるよりも産むが易しを地で行くようなフチなし点検口の 「進化」に、これから床断熱仕様の案件に取り組む際にも自信をもって、クライアント様にお勧めすることができそうです(秦棟梁、進言いただきありがとうございました)。
本計画では、最終的に点検口は天井に1カ所、床下は、基礎梁で囲まれたエリアと給排水設備の配管などを勘案して、収納スペースなどに3カ所設置しています。