給水給湯配管(Mマンションリノベーション)

「Mマンション」は、給排水設備の配管工事が完了しています。

写真左の、これから床下となるところに並んでいる青と赤の6本、人体図に描かれる静脈と動脈のように見えなくもないですが、青が給水管で、赤が給湯管です。

写真右上、水道主管から取り込まれた水(とお湯)は、「ヘッダー」と呼ばれる分岐用金具によって、台所、洗面、洗濯機、浴室・・・といった、それぞれの行先に振り分けられます。

給水(湯)経路は「ヘッダーから台所、ヘッダーから洗面、ヘッダーから洗濯機・・」というように、それぞれ個別の専用管で設けるため、これ以前の工法※に比べて配管の総長さ、つまり材料コストは増すものの、施工性とメンテナンス性に勝ることで、現在ではほぼ一般的な工法になりました。

この工法は、後述する さや管と架橋ポリエチレン管で構成される配管を、ヘッダーで分岐することから、「さや管ヘッダー工法」と呼ばれています。


「さや管ヘッダー以前」では、水道主管(本管)から取り込んだ管を、ちょうど蟻の巣穴のような「1本の管を基にして、必要な個所だけ分岐させた」経路を、塩化ビニール管(大昔は鋼管)でつくっていました。

給水、給湯管は、

・表面:赤または青色の、さや(鞘)管
・内部:白色の、架橋ポリエチレン管

の二重構造になっています。 可とう性樹脂管であるさや管は、内部の架橋ポリエチレン管の保護材に加え、ヘッダーから当該給水(湯)栓までの配管ガイドにもなっていることにより、万一の管の交換にも 床等を撤去することなく、 さや管内部を通る、架橋ポリエチレン管「のみ」を入れ替えることで対応できます。

大掛かりな解体等を避け、工事を必要最小限に留めようとする意図は、ひょっとするとカテーテル治療や内視鏡手術に通じるものがあるかもしれません。

床下にヘッダーが納まる位置には、点検口を設けます。

Mマンション (リノベーション)

米子市内のマンションリノベーション、2015年、2019年に引き続いての三期工事です。

既存間仕切り壁と内装仕上に加え、今回はすべての電気設備、衛生器具、そして設備配管を撤去したうえで新設します。

解体工事が完了し、 鉄筋コンクリートの躯体がむき出しとなった現場は、 現在、設備配管工事と木(下地)工事が同時進行中です。

室外機を探せ(メイキング・オブ・宮前の家1)

上の写真は先月、竣工お引き渡しとなった「宮前の家」の室内ですが、この写真の左上、エアコン(室内機)の設置位置に「おや?」と思われたアナタ、かなりの目利きと存じます^^

実はこのエアコン、取りついている正面の壁と側面の壁のその裏側は、それぞれ階段室と廊下で、いずれも外部に面していません。

それでは、室外機はどこに?

エアコンは、冷媒を加圧(減圧)した際に得た(奪われた)熱によって、室内空気を温める(冷やす)装置です。

室内の空気を温めたり冷やしたりする室内機、と、「温めたり冷やしたり」して戻ってきた冷媒を次の周回に備えていったんリセットする室外機、との”ニコイチ”で構成されていて、そのふたつを冷媒管が繋いでいます。

「いったんリセット」、冷媒を通常の圧に戻す際、室外機では、室内とは逆向きの熱交換がおこなわれるのですが、この熱交換と冷媒の循環を効率よくおこなうために、室外機は、冷媒管の長さをできるだけ短くできて外気を取り込みやすい場所、つまりざっくり言えば、室内機直近の外部に設置するのがよいとされています。

ですが、そのようにすると、

・建物「正面側」への室外機設置となり、外観上好ましくない
・薪ストーブの設置予定位置と被る

ことになってしまうので今回は、

室内機を薪ストーブの予定位置を避けた位置に配し、室外機を(冷媒管距離の適正値内の)北側外壁沿いの設置としたうえで、 壁内と床下に設けた配管ルート内の冷媒管で繋ぐ設計としました。

冷媒管の配管工事は木工事の初期、床組に並行しておこなわれました。 上の写真右手の、壁に沿って固定されている白い管が冷媒管です。床下では土台等の下面に固定されて、室外機の設置予定位置に向かって伸びています。

「外壁側」以降の配管の様子です。室外機は、写真左手の先に設置してあります。

写真右手の細い管は、室内機で発生した結露水を処理するための排水管です。

あけましておめでとうございます。

あたらしい一年がはじまりました。

本年も引き続き、「地に足のついた住まいづくり」をクライアント様、職方のみなさんと一緒に、進めてゆきます。安心して住み続けることのできる家づくりを念頭に、精進を重ねて参ります。

皆様には変わらぬご愛顧のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

2022年1月1日

渡辺浩二

年末のご挨拶

今年も残すところあと僅かになりました。
毎年言っていますが、12月に入ってからは本当にあっという間ですね。

今年も、依然として全世界的には簡単でない状況が続いていますが、そうしたなかでも現状を少しづつでも「昨日よりよいもの」にしようとする、さまざまなご努力やご尽力について、知ることもできます。

だから私は、明日は今日よりもよい日になるだろうと考えることにして、今自分のできることをできる範囲で続けてみようと思います(おかげさまで今年も健康で、現場での事故も無く、一年を無事に過ごすことができました)。

昨年から引き続き、ブログ更新の間隔が安定せず申し訳ありませんでした。家づくりに関して、皆様にお知らせしたい話題の「在庫」は、この一年でさらに積み増ししています。新しい話題とともに、「お蔵出し」にもご期待いただきながら^^;来年もまた、変わらずお立ち寄りいただければ幸いです。

尚、弊社の年末年始の休業期間は下記のとおりです。

(休業期間)
12月29日(水)から1月5日(水)まで
※新年は1月6日(木)より、業務開始します。

時節柄、くれぐれも体調など崩されないよう、どうぞご自愛ください。
来年も変わらぬご高配を賜れますようお願い申し上げ、年末のご挨拶とさせていただきます。

それでは皆様よいお年を^^/

渡辺浩二