インタビュー記事掲載のおしらせ

先日、情報誌の取材を受けました。記事となって掲載されたのでご紹介します。

取材内容は、住まいづくりの情報誌(フリーペーパー)、「山陰の住まいと暮らし メッケ」(あっぷるはうす)の最新号(7号)に掲載されて、連載「お金にまつわるエトセトラ」の今回のお題である、「家を建てるコストってどうやって決まるの?」と銘打ったインタビュー記事に仕上がっています。

取材では、話があちこちに飛んで脱線続きだったのですが、要点が抽出・整理されて、

・コストと正比例の関係にある、その建物の「規模」とは?
・そうした考え方が必要となった背景
・これから予想される方向性

について、一本の記事にまとめられています。

冊子は、イオンモール日吉津の西館1階、チューリップコート東(大山)側連絡通路(図中「W119」の右手)の常設ラックや、飲食店さん美容院さんなど各所で無料配布されているようです。機会があれば手に取って、もしよろしければご感想など、お聞かせいただければ幸いです(21ページに掲載されています)。

「お宝」 いろいろ

本棚を整理していたら、いろいろな「お宝」たちとの再会を果たしました。

上の写真は、雑誌「モダンリビング」(婦人画報社)1997年11月号です。

「和の住まいとインテリア」を特集する記事のなか、若き日の仮屋崎省吾さんの姿があったり、建築史家で建築家の藤森照信さんの自邸「タンポポハウス」の竣工後まもない様子が掲載されています。

雑誌「室内」(工作社)の2006年3月号、休刊前の最終号です。

キッチンの特集と併せて、前身の「木工界」 (昭和27年創刊)から50年あまりの歴史を振り返った過去のインタビュー記事などが集められていて、そこには若き日の安藤忠雄さんや田中一光さんの姿も見えました。

こちらは、左官屋さん特製の「本漆喰(しっくい)カタログ」(2011年)です。

当時、お世話になっていた渡部左官店(出雲市)の社長さんが、本漆喰のできあがるまでの工程を写真に収め、冊子にまとめて施工後に届けてくださいました。写真は冊子の1ページ目で、上段が布海苔を煮詰めているところで、下段は煮詰めたものを漉しているところです。

ざっくりした工程を記せば、

1:布海苔 (フノリ科の海藻) を大量の水から煮詰める
2:1を漉す
3:2にスサを混ぜる
4:3に貝灰を混ぜる
5:4に桐油を混ぜる

となるのですが、調合された製品を現場で混ぜる漆喰しか知らなかったところに、(知識としては一応知っていたものの)まさかこのタイミングで海藻から煮出した本漆喰に出会えるとは予想しておらず、事前に「布海苔からつくるよ」と教えてもらっていれば絶対に見に行ったのにと悔しがったものですが、あらためて冊子を読み直しながら、これも間接的とはいえ相当に貴重な経験だと思っています。結局私が関わった本漆喰の現場は、これまでにこの一回きりで、しかし生で見たかったなあ・・・

冊子には、現物の布海苔も一緒でした(渡部さん、貴重な資料をありがとうございましたm(_ _)m)。

地域型住宅グリーン化事業

日本の住宅政策の 「量から質へ」 の転換は、

「住宅政策5か年計画」を廃止し、あらたに「住生活基本法」が制定された2006年(「耐震偽装問題」の翌年)からであると言われています。

「つくっては壊し」から

「よいものをつくって、きちんと手入れをして長く大切に使う」

住宅づくりをおこなうことが、これからの主流となるような政策の一大転換で、この流れの中で「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」(2008年)も制定されています。

普及に向けての国からの助成事業は、2008年の「超長期住宅先導的モデル事業」から今年度の「地域型住宅グリーン化事業」まで、名称や運用方法をその都度変更しながら(ややこしい^^;)、「よいものをつくって、きちんと手入れをして長く大切に使う住宅づくり」へのアシストが続けられていて、現在では、事業採択(事業審査の合格)を受けた事業者が設計・施工をおこなった住宅に対して、工事費の一部が補助されるシステムとなっています。

現在実施設計中の住宅は、設計業務と同時進行でこの、今年度事業である「地域住宅グリーン化住宅事業」の申請準備をおこなっています (今夏「山陰の木でつくるCM分離発注の家」として、国交省の事業採択を受けました)。

長期優良住宅は、個人的には今回で5棟目の案件なのですが、分離発注(オープンシステム)による事業採択を受けた事例、としては、この住宅が全国初となるようです。身が引き締まる思いですが、引き続きコツコツと、準備を進めてゆきます。

紅葉の効用

先日、陽もだいぶ傾いてから思い立って、大山 (だいせん) まで足を延ばしました。

日没ぎりぎりに到着した鍵掛峠でしたが、平日にもかかわらず駐車場は自家用車でいっぱいでした。私たちを除く大多数の方が三脚などの機材を備え、夕日に映える笛吹山を写真に収めておられていたのですが、この頃がどうやら、壁面に夕日が最もよく映える時間帯だったようです。

目の前の絶景を眺めながら、その昔、私たちのご先祖様もやはり、同じように「きれいだな」と感じられていたのだろうかと思いを巡らせた日没までの間は、少しだけですが、ゆったりと時間が流れるようでした。

「大きな暮らしができる小さな家」 (オーエス出版社)

建築家、永田昌民(まさひと)さんへのインタビューと事例解説がまとめられた本です(聞き手である住宅ジャーナリストの杉本薫さんとの共著)。いま手元にあるのは、2003年発行の二刷です。

言わずと知れた住宅設計の第一人者で、私などがとやかく言うことなど、おこがましいのを承知で書けば、本書にもあるような「涼しさ、香り、新鮮な空気、季節を運ぶ風と、明暗の演出、あたたかさ、季節をもたらす光を取り込む」家を数多く残されて(幸運にも、そのうちの数件を拝見する機会に恵まれたのですが、本当に貴重な経験でした)、家づくりを生業とする身にとっては、北極星のような存在の方です。

先日、ひさしぶりに読み返したのですが、「大きな暮らしができる」 とは、もちろんその家の床面積の違いに依るものではなく(ゆえに小さいからよい、というわけでもなく)、その暮らしのなかの「一日の変化、四季の変化、経年の変化」を踏まえた居心地のよさが、その家に備わっているかどうかなのですよワタナベ君、と諭された(というか説教された)かのような読後感で、引き続き精進いたしますと、空に向かって最敬礼するばかりでした・・・