神去なあなあ「夜話」

映画「ウッジョブ!」(矢口史靖監督)の原作本「神去なあなあ日常」(三浦しをん 徳間書店)の続編です。映画がおもしろくて原作を手に取り、原作にもハマって続編に手が伸びてと、ここのところ神去村通いが続いています。

あらかじめ続編を前提としていたのかと思わせるようなエピソードも盛り込まれていたりで、勇気くんは少し大人になり、ヨキと誠一さんは更にカッコよくて愛おしいです。

実録 床下潜入レポート

唐突ですが、建物の耐久性は床下空間の寸法に比例する、と私は考えています。

定期的な点検に支障がでないこと、より砕けて言えば、潜るのに「億劫でない」設計としておくことは、点検作業の質を左右する問題だからです。

これは現場監督(工務担当者)時代にいろいろな床下に潜って得た実感なのですが、当時はまだベタ基礎がそれほど普及していなくて、湿気を帯びている場合にはシートを敷いてからの潜入でした。可能なことについては実体験するに限るというのは建築設計だけの話ではないのでしょうが、設計者が実際に床下に潜って自身の目と身体で確かめることは、私のなかでは「アリ」な行為です。

というわけで、今回は床下空間(の一部ですが・・)には何があるのか、以下、実際に潜った写真をご覧いただきながらのご紹介です。

写真、なんだか海底にひそむ深海の生きものみたいですが、給湯器からのお湯を各所に配るための分岐の部材です。接合部はこの部分と各所蛇口との接続部だけなので、漏水に対する信頼性が高く、メンテナンス性にもすぐれています。

余談ですが、ヘッドランプ(カンテラ)を頭につけて潜ると、目の前は明るく両手は自由に動き、とても便利です。

分岐部材から各所へ流れてゆく給水管たちです。

なんだか放流されて大海をめざして泳ぐ、稚魚の流れに見えなくもない(いや、巨大蛸の脚か?)ですが、実際の行き先は浴室や洗面所、キッチンなどの蛇口で、赤はお湯、青には水が流れています。

直接日光は射し込まない床下空間ですが、土台(ヒノキ)もいい色になっています。

ウッジョブ!!

映画「WOODJOB(ウッジョブ)!神去なあなあ日常」を観ました。

封切りから一月近く過ぎてしかも平日の昼間、これはひょっとしたら貸切状態かなと向かったMOVIX日吉津でしたが、座席の半数が埋まっていました。

染谷将太さん演じる勇気くんが「緑の研修生」として神去(かむさり)村、中村林業で過ごす一年を通して・・・と、私などが拙い紹介を書けば書くほど営業妨害になりそうなので控えますが、いやあ面白かった、スカッとしました。なんというか、爽快な生々しさに満ち溢れていました。

そして、生々しさとスケールの大きさが今になって「じわじわ」きています。身体の奥が元気を取り戻しているようでもあります。来週からはレイトショウも追加されるようで、うーん、もう一回いくか?

地盤ネット

情報化社会と呼ばれるようになって、個人的には便利になったことのほうが多いなあと感じています。あらゆる情報が内向きに閉じるよりも外へ開かれてゆく大きな流れのなかで、調べものには本当に便利な世の中になりました。けれど絶対的な情報量が増えたぶん、その読み方は更に大切になったのかもしれません。

業界紙のウェブ版で知ったのですが、地盤調査会社の地盤ネット株式会社さんが、過去の地盤調査データをネット上に公開されました。ホームページの、「地盤安心マップ」のアイコンをクリックすると、全国の地盤調査の判定結果がプロットされた地図を閲覧することができます。範囲を指定すると、1キロ、3キロ、5キロの同心円内での実績値が自動計算される、なかなかのすぐれものです。

地盤改良工事が必要な場合、木造住宅でおよそ50~150万円ほどの工事費が必要となりますから、計画初期の段階でもおおよその目安は必要で、これまでは調査会社へのヒアリングや経験、地域や地形をもとに見通しをつけていたのですが、このように判断材料が増え、土日でもアクセス可能なものは、大変ありがたいです(最終的な判定は現地調査の結果に依ります)。

これから設計にかかる案件の地盤はどうなのだろうと、(土曜日の夕方の)今、閲覧してみたのですが、データから見ると、あまり神経質にならなくとも大丈夫なようです。が、これはあくまでも目安、次の打ち合わせにお邪魔する際には、現地とその周辺をよくよく調査・観察することにします。

料理の旅人

インタビュアー木村俊介さんによる、聞き書きのインタビュー集です。おもに50代から60代の現役料理人さんの体験談が集められています。

大袈裟な強調も目を引くレトリックもなく、そして書かれているのは料理に関することのみです。なのですが、いったんページを開くと、ひきこまれてなかなか離れることができませんでした。綴られている言葉が、日本を世界に冠たる美食の国にした方々の、苦闘から身を搾るように出されたものであることが(門外漢の私にも)ひしひしと伝ってきて、「おもしろかったです」では言い足りない読後感でした。活字を通した出会いであっても、それは大切なご縁なのですね・・・