熊本大分の地震について

報道を後追いするばかりですが、地震発生から3週間を過ぎてもいまだに揺れは収束しないままで、被災され、避難生活を強いられている方々には、おかけする言葉も見つかりません。

余震のはずが、さらに大きな威力の本震がやってきて、こうも「想定外」の上書きが続いてくると、震災を経れば経るほど、経験を積んで知れば知るほどに、自然の持っている奥行きの深さというか、「よくわからないこと」の範囲の大きさを痛感させられるだけではないのかと、ある意味無力感に苛まれそうにもなります。

けれど一方では、先人から受け継いできた経験や知恵や、調査研究の積み重ねによって得られた、「ここまでは確かに分かっていること」は年ごとに増え、日毎に増え続けて、そうした意味では私たちの安心の根は、本当に少しずつではあるけど広がっているのだという実感もあります。

いかなる立ち位置であれ、可能な歩幅で一歩ずつ、止まらずに歩み続けることが、今、私たちに求められているのだろうとも感じています。

災害発生のメカニズムと、予知を含めたその対策について、100%解明され対策が整うことは、私が生きている間にはおそらく叶わないのでしょうが、私は、今の時代に、私にできることを私にできるぶんだけ、積み重ねます。

くまモン、おかえりなさい(^^)

上乃木の家  (松江市)

ホームページ内の「家づくりの流れ」でも触れていますが、弊社は基本設計の最終工程で、計画案の模型をお作りしています。

基本設計図をもとに作製した、縮尺50分の1の模型をご覧いただきながら、

・室内と外観のボリューム
・室内への光の入りかた
・外部からの室内の見えかた

などについて、確認と検討の打ち合わせをおこなうのですが、今回は、先日クライアント様にお渡しした模型の外観の一部をご紹介します。

西側立面、この建物の正面です。

正面が、幹線道路である県道に面することから、開口部は最小限にとどめています。駐車スペース分の奥行きを経て、この壁面が「ウチとソト」を明確に隔てる、いわば界壁としての役割を果たしています。

建物正面から南側(庭側)に回り込んだ、西南西方向の外観です。

外壁面から南側に、約1.2メートル張り出した位置に柱を建て梁を組み、その上に屋根を架けています。柱梁と屋根、そして西側壁面の裏側とウッドデッキで囲まれたこの空間は、室内と室外を曖昧に繋ぐバッファゾーンとなることを意図しています。

基本設計の段階で質感のある立体(=模型)をご覧いただいて、建物イメージをクライアント様と設計者が共有することは、この後に続く実施設計、そして実際の工事期間のあいだのブラッシュアップ、さらによい家への磨き上げのための「ベースづくり」にはとても重要で、大切な工程です。

当日のクライアント様との打ち合わせのなかでは、窓越しの室内、あるいは「窓越しの室内を介して見える」外部の表情などを模型を持ち上げたり引き寄せたり、屋根や2階の床を外して室内をご覧いただきながら、いろいろと話は尽きなかったのですが、そうするうちにこの計画案は、第一印象(建物正面)は、どちらかといえば閉鎖的な感じではあるけれど、接する角度を変えるほど、あるいは建物正面から奥に進んでゆくほどに、生活感(というのか人情味というのか)を増してゆくプランだなあ、とのイメージを共有することができ、私も、この打ち合わせの中で腑に落ちました。そして、共有されたイメージを足場に、尽きない話がさらに進んだその結果、この計画案の「もうひとつのコードネーム」は、

「ツンデレの家」

に決定いたしました(^^)

松江市内の計画です。

水道メーター その2

先日、自宅の水道メーターを探したのですが、今回はクライアント様の「メーター探し」をおこないました。計画前の現況調査です。

敷地形状と既存建物の配置、道路位置が頭に入っていたので、だいたいこのあたりだろうとアタリをつけて伺ったのですがしばらく探したもののなかなか見つからず、ついにはクライアント様にも捜索に加わっていただきなんとか発見できました。排水や接道などを含めて、管理者への事前調査の大切さをあらためて教えられた結果となったのですが、まさか水道メーターがあんなところにあるとは、何事も経験とはいえ、うーむ奥が深いです・・・

不審者の服装

セコム(株)さんのメルマガによると、

最近の「泥棒」は、黒装束に頬かむり、唐草模様の風呂敷を背負って、といったような恰好ではなく、むしろ周囲に溶け込むような目立たない、普通の服装なのだそうです。

とはいえそういえば、かなり前のことですが、市営コートから車を出そうとするときに、駐車場の端から突然徒歩で現れた男は、ジーンズとシャツ姿のまさに普通の恰好だったのですが、横切るあいだじゅう携帯電話で声高に「話しているふり」をしながら、怪しいオーラ全開のままに川沿いの遊歩道に消えていったその後、車上荒らしの容疑で逮捕されていました。

しかし、どうしてその男を怪しいと思い、また、声高に話している「ふり」をしていたのだと分かったのか、あらためて振り返ってみても我が事ながら不思議なのですが、不思議ながらも考えた、今のところの結論は、おそらく人間がもともと備えている洞察力というのは、自分では気付かないくらいに繊細で奥深いものなのでしょうねえ。

「14ひきのひっこし」  いわむらかずお(童心社)

現在基本設計中のクライアント様に紹介していただき、手に取りました。「14ひきシリーズ」とよばれるロングセラーのこれが第1作で、ここでできあがった家が、以降のいろいろな物語の舞台となるようです。

無事に引っ越しが終わってお祝いの夕食後の夜更け、静まったダイニングテーブルでお茶をすするおとうさんとおかあさんの、安堵と誇らしさがいっしょになったような表情には、もちろんこれは絵本のなかの「おはなし」ではあるのですが、住まい(というのか、安心して過ごせる場所、というべきなのか・・・・)に対する思いというのはおそらく、生きているものすべてに共通する何かがあるのだろうなと感じさせられて、もちろん相手は本のなかのひと(ネズミ)なのですが、おめでとうございますと伝えたくなります。

巻頭には家の外観パース、巻末には断面図もついています。