「建築は詩」建築家 吉村順三のことば一〇〇(彰国社)

新聞や雑誌や書籍など、活字として残された吉村順三さんの言葉、百選です。

「建築家として、もっとも、うれしいときは、建築ができ、そこへ人が入って、そこでいい生活がおこなわれているのを見ることである。日暮れどき、一軒の家の前を通ったとき、家の中に明るい灯がついて、一家の楽しそうな生活が感ぜられるとしたら、それが建築家にとっては、もっともうれしいときなのではあるまいか・・・・」

上の言葉からはじまる朝日ジャーナル掲載の文章をはじめ、読み返すたび、あるいはランダムにページを開くごとに、吉村さんが建築家として居てくださったことと、残されたものを今こうして読めることの大きさと、ありがたさを感じます。いつ読んでも新鮮で、安心できる、大切な本です。

続々 マンションリノベーション

マンションリノベーションの現場は現在終盤戦です。写真は今朝の様子で、壁紙の張り替えをおこなっています。

床を薄茶色に覆っている養生シートの下には、杉無垢材のフローリングが敷いてあります。今回のような賃貸マンション(米子市、Mマンション)での無垢床の事例は、ひょっとしたらこの地域での先駆けになるのかもしれません。

玄関を開けて室内に入るとシート越しに杉の香りが漂って、現場に居ながらにしてプチ森林浴を愉しませてもらっています(^^)が、完成してシートを外して、視覚と触りごこちと香りを入居者の方に堪能していただけるまで、もうひと息です。

床下探検記

久しぶりに床下に潜ってきました。築50年の木造住宅です。

床下点検口のハッチを開いて漬物や梅酒のビンを取り出し、床下収納庫を取り外してあらわれた床下の地面は、表面に砂が敷いてありました。

床下一面のコンクリートスラブを耐圧版と防湿兼用にする「べた基礎」が主流の昨今ではあまりみかけることはありませんが、湿気もなくさらさらで、土台や大引きなどの構造材にも目立った痛みはなく、非常によい状態でした。泥もつかず、地上にもどったときに作業着についていたのは砂埃だけでした(よかった!)。

基礎の上の土台表面に塗られている塗料はおそらく防腐剤で、クレオソート油(=蒸留したコールタール、現在は原則使用禁止)のようです。

リフォームの際に水まわりを追加設置されたとのことで、給排水管はまだあたらしかったです。

さらに奥へ進むと、ステンレスの箱状のものが地面に埋め込まれていました。これはなんだと地上に戻った際にその地点をさがすと、そこは掘りごたつでした。

乾燥した床下とはいえ環境は外部と同じで、これはおそらく結露による腐食を防ぐためのステンレスなのかと、先人の工夫を学ぶ床下潜入となりました。

※現在は、ここまでしなくても掘りごたつを設置できます。

新訳古事記

ご存知太安万呂(おほのやすまろ)による最古の日本文学で、作家、池澤夏樹さんの新訳です。おそらく中学か高校の授業で習っているはずなのですが、おかげさまで全く記憶になく^^;、まっさらな、新鮮な気持ちで読み進めています。

1300年前というと途方もなく昔で、その遠さは想像もつかないほどですが、そのころの人(言葉)たちから1300年間続いた暮らしの先に今の私たちがいるという実感は自分のなかに確かにあるようで、その実感は、これから先についての予感を導くようでもあります。

遠い過去から遡った道程を助走路として未来を想像すれば、絶えず変化(更新)を続けた先の最先端や常識は、おそらく今とは違うスタイルを伴ったものになっているのでしょうが、好きな味や匂いや触りごこちなど、「ヒト」の根っこのところはおおきく変わらないのではと、やや確信めいて思っています。